ワーナー・ブラザース、『ワンダーウーマン』でオスカー狙う?アメコミ映画初の作品賞、史上2度目の女性監督受賞なるか

DCエクステンデッド・ユニバース作品『ワンダーウーマン』は、2017年7月26日(現地時間)時点で米国興行収入が3億9,000万ドルを突破するなど、もはや2017年の夏を完全に制した作品となった。誰も予想しなかったほどの大ヒット、そしてファンや批評家からの高評価。こうした結果を受けて、ワーナー・ブラザースはさらなる目標を立てているようだ。

バラエティ誌によると、すでに同社は『ワンダーウーマン』がアカデミー賞を獲得するための戦略を検討しているという。

これまでアカデミー賞は、コミック原作の映画を(とりわけ作品賞においては)徹底的に無視してきたといっていい。クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』(2008)ですら助演男優賞(ヒース・レジャー)と音響編集賞にとどまり、ノーラン監督はノミネートすらされていないのだ。

そうした傾向にもかかわらず、現在ワーナーは『ワンダーウーマン』を賞レースで再アピールするための大規模なプロモーション計画を検討しているという。
莫大な資金を投じての広報活動、関係者に配布するための“透かし入り”DVDの製作、上映会の開催、出演者たちが自ら登場しての再プロモーション。すべては賞の獲得に向けて、投票者たちに『ワンダーウーマン』の存在をきちんと思い出してもらうことが目的だ。もちろん、そういった活動にかかるコストは決して安くない

バラエティ誌は、ワーナーがこの取り組みを検討する裏側にはふたつの勝算があることを示唆している。
ひとつは2017年6月、アカデミー賞に投票する権利を持つ米映画芸術科学アカデミーの会員が再び増えたことだ。若い会員が増加したほか、人種などの多様性が確保される方向に向かっていることは『ワンダーウーマン』にとってプラスに作用するとみられる(主演のガル・ガドットも会員入りを果たした)。そしてふたつめは、『ワンダーウーマン』の試写でアカデミー会員たちの反応が非常に良かったことだという。

またワーナーには、『ワンダーウーマン』の再プロモーションで、パティ・ジェンキンス監督が女性として史上2度目の監督賞受賞に至ることを後押しする狙いもあるようだ。アカデミー賞の歴史上、オスカーを獲得した女性監督は『ハート・ロッカー』(2009)のキャスリン・ビグロー監督しかいないのである。

7月28日(日本時間)現在、ワーナー社はこうした計画についてコメントを発表していない。しかし、これほどの人気と評価を獲得した『ワンダーウーマン』を、ワーナーが賞レースの時期にそっと置いておくようなことはおそらくないだろう。最強の女性ヒーローは、とうとう前人未踏の記録にまで到達してしまうのか……?

映画『ワンダーウーマン』は2017年8月25日より全国ロードショー

Sources: https://variety.com/2017/film/news/wonder-woman-oscars-patty-jenkins-gal-gadot-comic-book-1202509132/
http://variety.com/2017/film/news/academy-new-members-class-of-2017-1202481404/
©Warner Bros. 写真:ゼータ イメージ

About the author

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。