『ウォッチメン』コミックに忠実な“R指定”アニメ化企画が進行中!初めての完全映像化なるか

アラン・ムーア作、デイブ・ギボンズ作画による傑作コミック(グラフィック・ノベル)『ウォッチメン』のアニメ化企画が始動しているようだ。ワーナー・ブラザース社が製作予定の映画やテレビ番組への意見をユーザーに募る「ワーナー・ブラザース Aリスト・コミュニティ」にて、同企画が進行している旨の文章が公開されたのである。

コミック『ウォッチメン』とは

© DC Entertainment http://www.bbc.com/culture/story/20160809-watchmen-the-moment-comic-books-grew-up

© DC Entertainment http://www.bbc.com/culture/story/20160809-watchmen-the-moment-comic-books-grew-up

『ウォッチメン』は、1986~87年にDCコミックスより刊行されたコミック。スーパーヒーローの存在によって歴史が変わった“パラレルワールド”を舞台としており、アメリカがベトナム戦争に勝利した世界では、1980年代も冷戦が続いているという設定だ。物語は、政府公認のスーパーヒーローを除いて自警活動が禁止されたことにより、ほとんどのヒーローが引退するなか、ひとりのヒーローが殺されるという事件が起きるところから始まる。

アメリカで最も権威ある漫画賞、カービー賞とアイズナー賞を受賞したほか、1988年には優れたSF・ファンタジー作品に与えられるヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞。2003年にはタイム誌が選ぶ長編小説ベスト100にも選出されている。

原作に忠実な“R指定”アニメ化

「ワーナー・ブラザース Aリスト・コミュニティ」によると、『ウォッチメン』のアニメ化は「ビデオ用映画」の企画だという。おそらく、これはワーナーが取り組んできたDCコミックス作品のビデオ・アニメーション化の一環として検討されているものだろう。最近では、同じくアラン・ムーア原作による『バットマン:キリングジョーク』も同じ形式で映像化されている(残念ながら評価は芳しくなかったが)。

http://www.cbr.com/watchmen-r-rated-animated-movie/

http://www.cbr.com/watchmen-r-rated-animated-movie/

そのほか「Aリスト・コミュニティ」には、このように記されている。

グラフィック・ノベル『ウォッチメン』を忠実に脚色し、原作を正確に描くアニメーション作品とする(MPAA[アメリカ映画協会]によるR指定を予定)。

原作の持つ描写をどこまで再現できるのか、アニメでどれくらいの長さにまとめるのかなど、気になるところは多々あるが、制約をある程度振り切っての映像化が期待できそうだ。

『ウォッチメン』とアニメの関係

『ウォッチメン』のアニメ映画版が実現する場合、本作は2009年の実写映画版(ザック・スナイダー監督)以来の映像化作品となる。2015年にはアメリカのケーブルテレビ局「HBO」がドラマ化の企画を進めていたようだが、その後、進捗などは報じられていなかった。

しかしながら、『ウォッチメン』がアニメ化されるのは今回が初めてではない。2008年には『ウォッチメン/モーション・コミック(原題:Watchmen: Motion Comic)』というタイトルで、1章あたり25~30分の全12章構成でアニメ・シリーズ化されている。ただし、この作品は多くの人がイメージする「アニメーション」ではなく、タイトルの通り“コミックが動く”という趣旨のもの。現在も全話がYouTubeで配信されている。

また2009年に実写映画版が製作された際には、原作に登場する劇中漫画『黒の船~海賊船ブラック・フレイターの物語(Tales of the Black Freighter)』がアニメーションで表現されていた。この映像は短編アニメーション作品として、DVD(コレクターズBOX)とBlu-ray(BDコレクターズ・バージョン)の特典映像に収録されている。ちなみに日本未発売ながら、『ウォッチメン』アルティメット・カット版(215分!)は、この『黒の船』が原作同様に劇中の要所要所で挿入される構成になっているようだ。しかし全編がアニメになる場合、この『黒の船』はどのように表現されるのだろうか……。

ちなみに余談ではあるが、『ドクター・ストレンジ』などを手がけたスコット・デリクソン監督は、この『ウォッチメン』アルティメット・カット版を「比類なき傑作」と絶賛している。今度のアニメ映画版は、この評価を超えることができるのだろうか?

伝説のコミックの“完全映像化”は、きっと多くのファンが待望したものだろう。ワーナー・ブラザースには、この企画をなんとか実現してもらいたいところだ。またその暁には、実写版のアルティメット・カット版が日本でもソフト化されることを心から祈るばかりである

Sources: http://www.cbr.com/watchmen-r-rated-animated-movie/
http://comicbook.com/2017/02/22/doctor-strange-director-praises-zack-snyders-watchmen/
Eyecatch Image: http://tvdaily.com/zack-snyder-in-talks-for-watchmen-tv-series/
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About the author

1989年生まれ。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはわかりづらいまま、少しだけわかりやすくしてお届けできればと思っております。

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Comments

  • op3-C 2017年4月17日 at 1:17 PM

    ディレクターズカットとアルティメットカットは字幕版だけのダウンロード販売だけでも良いから日本でも正規に出して欲しい。

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