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ドラマ版「ウォッチメン」米国版新予告編が公開 ─ 傑作コミックを「ゲーム・オブ・スローンズ」のHBOが再構築、名優たちが新たな物語紡ぐ

ウォッチメン
https://www.youtube.com/watch?v=-33JCGEGzwU

ヒューゴー賞受賞、アメコミ史上最高傑作のひとつとして名高い同名コミックを米HBOが映像化する、ドラマ「ウォッチメン(邦題未定、原題:Watchmen)」の米国版新予告編が公開された。2019年7月20日(米国時間)、ポップカルチャーの祭典「サンディエゴ・コミコン(Comic-Con International: San Diego 2019)」にてお披露目となった映像だ。

アラン・ムーアによる原作コミックの舞台は、実在する歴史の陰にスーパーヒーローが実在したという“パラレルワールド”。歴史改変SFである本作の世界では、すでにヒーローたちの多くは引退するか、政府のために活動を続けている。今回のドラマ版は現代を舞台に、新たなキャラクターが登場する、原作とは異なる新たな物語が紡ぎ出されるという。

「あんた、何者なんだ?」「俺が何者かって? その答えが分かってれば、マスクなんて被らない」。店に押し入ったマスク姿の男に、店員が問いかけると、男はこう答える。その様子が映し出されたテレビを見ているのもまた、マスクをかぶった男だ。

女性アンジェラ・エイブラハムは語りはじめる。「誰もがこの世界は公平で善いものだと信じてる。キャンディと虹、キラキラした世界。だけどキャンディも虹もただの色だってことを私たちは知ってる。その色が隠してる世界の真実は、白と黒」。

非合法の自警活動を続ける、コミックのロールシャッハによく似たマスクを被った者たちと、かたや黄色いマスクで顔を覆った警官たち。「彼らはいなくなったと思い込んでいたが、冬眠していただけだ」と述べるのは、エイドリアン・ヴェイト/オジマンディアス。コミックでは元ヒーローの実業家で「世界で最も賢い男」だが、ドラマでは警察の幹部のような立ち位置にあるようだ。

オクラホマ州タルサの警官たちが同時に襲撃されるという怪事件が発生する。対策として警官たちが選んだのは、顔を隠し、身分を隠すことだった。ある男は「マスクを被ってる人たちは危険だよ、恐れるべきなんだ」と娘に話す。「だって、何かを隠してるってことだからね」。マスクの人物による事件が続く中、ローリー・ブレイクというFBIの捜査官がアンジェラの前に現れた。「マスクを被った警官と自警団の違いを説明できますか?」。アンジェラが「いいえ」と答えると、ローリーは「私も」と答えた。原作コミックの冒頭で殺されたエドワード・モーガン・ブレイク/コメディアンと彼女には、なんらかの関係があるのだろうか。

「巨大で恐ろしい陰謀が存在するのだ」。こう口にする老人に、自警団の装いに身を包んだアンジェラが「あなたは誰?」と尋ねると、彼は「ドクター・マンハッタン、かもしれないね」と答えた。「彼は火星にいるでしょう」。デヴィッド・ボウイによる「Life On Mars?」が流れる中、最強の超人たるジョナサン・オスターマン/ドクター・マンハッタンらしき姿を捉えた映像が映し出され、警官と自警団、マスクを被った人々の暴力はエスカレートし、世界は混沌に包まれていく。「何も終わっていない、始まったばかりだ」とオジマンディアスが呟き、青いマスクを青い手の人物――ドクター・マンハッタンだろうか――が拾い上げるところで映像は締めくくられた。

オジマンディアス役は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)『アサシン クリード』(2017)などの名優ジェレミー・アイアンズ、アンジェラ役は『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キング。そのほか、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)ドン・ジョンソン、『インクレディブル・ハルク』(2008)『シンクロナイズドモンスター』(2017)ティム・ブレイク・ネルソン、『グレイテスト・ショーマン』(2017)『アクアマン』(2018)ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世らが出演する。

劇中の音楽は、Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)のトレント・レズナー、同バンドのプロデューサーであるアッティカス・ロスが担当する。脚本・製作総指揮は、「LOST」(2004-2010)「LEFTOVERS/残された世界」(2014-2017)のデイモン・リンデロフが務める。

ドラマ「ウォッチメン(原題:Watchmen)」は2019年10月、米国にて放送開始。日本ではBS10 スターチャンネルでの放送が予定されている。

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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