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【まとめ】EDMだけじゃない!『WE ARE YOUR FRIENDS』を深く味わうためのゼロ年代ダンス・アンセム年表

6/24より公開中の『WE ARE YOUR FRIENDS』は世界中で大流行のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)ブームを描いた映画だと宣伝されている。しかし、タイトルからも分かるとおり(最後に記述)、EDMに限定しないDJ文化、ダンスミュージックへの賛歌を捧げた青春映画なのだ。ここでは、ゼロ年代以降のダンスミュージックを主に「DJ」という縛りの中で振り返っているので、みなさんが映画を見るときの参考にしてもらいたい。

WE ARE YOUR FRIENDS 公式サイト

映画 WE ARE YOUR FRIENDS

【ゼロ年代初頭】ベテラン達の時代 

“One More Time”(‘01/Daft Punk)

日本でもCMソングに使用されたバツグンの知名度を誇るクラブアンセム。ポップとダンスとロックが融合したジャンルレスな旋律はただただ祝祭感に包まれている。「もう一回/今夜は祝福しよう/音楽を止めないで」

“Star Guitar”(‘02/Chemical Brothers)

90年代UKダンス界を支えた重鎮が、ゼロ年代に放ったトランスナンバー。当時、すでに新しさはなかったが、あまりにもツボを押さえた構成で、たちまちライブの定番曲に。「私が感じることを感じなさい」

“Two Months Off”(‘02/Underworld)

UKではケミカル・ブラザーズと人気を二分するユニットだが、本作は天才DJ、ダレン・エマーソン脱退後、初めてリリースされたシングル。しかし、その完成度はファンの期待以上で、新たなアンセムに。「君が光を運んできてくれる」

【ゼロ年代中盤】ロックンロールとの融合

“Destroy Rock & Roll”(‘04/MYLO)

古今東西のロックミュージシャンを並び立てて行くだけの本曲に「ロックンロールをぶっ壊せ」とつけられた意味や深し。ゼロ年代初頭のガレージバンドブームが終息した後でのこの曲の登場は、シャレになっていない雰囲気があった。

“Rocker”(‘05/Alter Ego)

ノイズめいたサウンドとゴリゴリのベースライン。ロックンロールの進化系としてのダンスミュージックを見せつける名曲。

“My Friend Dario”(‘05/Vitalic)

ゼロ年代を通しても最もアガるダンストラックといえばこれ。Alter Egoと並び、ギターロックのお株をDJたちが奪っている。

【ゼロ年代終盤】嵐の前のメロディアス

“Happy House”(‘08/The Juan Maclean)

タイトル通り、ひたすら幸福なハウスミュージック。ダンスミュージック不毛の時期に、この直球勝負の頼もしさったらなかった。

“Two Doors Down”(‘08/Mystery Jets)

人気DJ、エロール・アルカンのプロデュースによる、80年代風ダンス・ロックナンバーにして、バンド最大のラジオヒット曲。

【10年代】EDMの猛威

“We Found Love”(‘11/Rihanna featuring Calvin Harris)

R&B界のスターが人気DJプロデュースで放ったEDMアンセム。10年代に入り、EDMがダンスミュージックの主流に躍り出た。

“Wake Me Up”(‘13/Avicii)

全世界で大ヒットを飛ばし、EDMブームの火つけ役となった一曲。カントリー調の楽曲とエレクトロサウンドが融合。

“I Want You To Know”(‘15/Zedd featuring Selena Gomez)

EDM界の貴公子とセレブアイドルの共演により、EDMブームは頂点を極めたといえるだろう。

 

一方で、EDMブームの中心人物、アヴィーチーが今年限りでライブ活動休止を発表するなど、ブームにも蔭りが見え始めている。永遠に続くものなどない、だからこそ、今を楽しむ。それがダンスミュージックの真髄なのだ。

 

【おまけ】

“We Are Your Friends”(‘06/Justice VA Simian)

https://youtu.be/XD4XqUzeJXA

映画のタイトルはこの曲の引用で、サウンドトラックにも収録されている。03年に”Never Be Alone”名義でリリースされたシングルの再リリース。当時ヨーロッパで起こったニュー・レイヴ・ムーブメントのテーマソング的存在となり、クラブでもラジオでもヘビーローテーションされた。

Writer

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石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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