北欧の曇天がとても似合うミステリーホラー『獣は月夜に夢を見る』レビュー

桜が散り、気温も暖かく春めきはじめた。軽い装いで街へ出かけられるようになったが、夜道を歩けばまだひやりとした風が吹く。

『獣は月夜に夢を見る』を観た帰り道、そんなひやりとした風に出会った。

あらすじ

ある日、少女マリーの身体に異変が起きた…そして、浮き彫りになる母親や異変の秘密。北欧の曇天がとても似合うミステリーホラー。

少女の成長と異変

突然、自分の身体に違和感を感じたことはないだろうか?

例えば、髭が生えてきた、身体に丸みが帯びてきたなどだ。少年少女から大人への変化の過程で、このような違和感を感じて私たちは大人になっていく。

ヒロインである少女、マリーが身体にある違和感を感じ、それがどんどん拡張し、豹変してしまう。

この作品は、思春期に誰もが感じるだろう 違和感 を核として描いていると思う。

大人へと成長していく狭間で、心と身体が伴わなくて違和感のある感覚と、この身体に起きた異変は似ていると感じたからだ。

身体の変化だけでなく、心情の変化もあるだろう。

例えば、誰かに恋をするなどといったことだ。

マリーは恋をし、愛を求めた。突然、凶暴な獣のように豹変する彼女を、救ったのもまた愛。

しかし、愛が全てを救うということではないと思う。父親の愛では彼女の豹変を沈めることはできなかったからだ。愛で全てを救える訳ではないけれど、愛でしか救えないこともあるのだ。

北欧の景色のよく似合う幻想のような美しい世界観、映像と少女の葛藤が溶けていく氷柱のように哀しく、美しい作品だった。

獣は月夜に夢を見る

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Comments

  • oriver_cinema (@oriver_cinema) 2016年4月30日 at 11:39 AM

    北欧の曇天がとても似合うミステリーホラー『獣は月夜に夢を見る』レビュー https://t.co/A8y1WP9Z3r

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  • ワラビー (@kobo97) 2016年4月30日 at 12:37 PM

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