ファンにとって悲哀を纏った存在と言えるハンは、『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』主人公ショーンの師匠的存在となった。「みんな何のためにルールに従っているんだろう。色んなモノに怯えて。人生は単純だ。行き先を決めたら、振り返らなきゃいい」──渋谷スクランブル交差点を行き交う人々を見下ろしながら口にしたこのセリフは、ハンを思慮深く、独自の哲学を持つ男として描いた。少し悲しげな笑顔も人気の一因だろう。303票獲得。
第3位:デッカード(ジェイソン・ステイサム)
(c) 2016 Universal Studios. All Rights Reserved.ドミニク、ホブスに続いてまたスキンヘッドのアドレナリン系キャラクターが出てきたぞと思いきや、「ジェイソン・ステイサムだから」という理由で全て許され成立させているような「満腹」の概念を超越した存在。牛肉と豚肉の丼にさらに鶏肉を乗っけてきたみたいな男がデッカードである。
敵味方のラインが危うい出自ながらも、『ICE BREAK』で魅せた赤ちゃん全力護衛バトルは「もうステイサムと赤ちゃんだけで一本映画を撮ってくれ」との声が相次ぐほどの人気ぶりに。ホブスとの水と油っぷりも熱い。307票獲得。
第2位:ドミニク(ヴィン・ディーゼル)
(c) 2016 Universal Studios. All Rights Reserved.犯罪のエキスパートにして、天才ドライバーであり、誰よりも仁義に熱い男ドミニク。かつてブラインとストーリーの二本柱を担いあったが、ポール・ウォーカー亡き後はその腕一本でシリーズのアイデンティティを持ち上げ続けた。その周囲を支えたいと集まる仲間たちの面々は、ドミニクの逞しさや優しさによってのみ、初めてファミリーとして輝く。『ICE BREAK』ではまさかの裏切り行為で衝撃が走ったが、その真相にはドラマが隠されていた。368票。
第1位:ブライアン(ポール・ウォーカー)
(c) 2014 Universal Studios. All Rights Reserved.いつだってゴールラインをぶっちぎりで駆け抜けるブライアンが納得と安心の1位を獲得。シリーズ初期はヤンチャな印象だったブライアンが、作品を重ねファミリーの中で立場と責任を纏っていくごとに、大人の男に成長していく姿が印象的だった。それだけに、演じるポール・ウォーカーの2013年の事故死は耐え難い悲劇となった。第7作『ワイルド・スピード SKY MISION』(2015)出演シーンでは、ポールの弟コーディーとカレブが代役を務め、表情をCGによって再現したことも話題に。この度の人気投票では825票で堂々の1位に輝いたが、きっと天国でも青い目と白い歯で笑ってくれているはずだ。