『X-MEN: ダーク・フェニックス』監督「大変な映画だった」 ─ 2部作構想からの急遽変更、大作映画の苦労とは

旧20世紀フォックス(現20世紀スタジオ)製作、『X-MEN』シリーズの最終作『X-MEN: ダーク・フェニックス』(2019)は、もともと2部作として構想されていた作品だった。脚本・監督のサイモン・キンバーグは、コミック『ダーク・フェニックス・サーガ』を映画化するにあたり、前後編構成の長い物語を計画していたが、プリプロダクション(事前準備)の終盤になってフォックス側が翻意し、一本の映画にすることが決まったのだ。
『ダーク・フェニックス』2部作が叶わなかったことについて、キンバーグ監督は米IGNにて「どんな映画であれ、ああしたい、こうしたいと願うことはあるものです」と語っている。「これは最高だ、完璧だ、と思っていても、いざやってみると思っていたほどではなくて、だから違う道に進むということがね」。しかし監督は、『ダーク・フェニックス』を「大変な映画だった」と言い、その苦労を隠していない。
「僕が書いた最初のコンセプトでは2部作だったんですが、突然1本限りになった。僕には関わりのない理由がいくつかあったんです。そういう大きな変化を経なければならないのは、作品にとっての試練でした。こういう映画はどれもチャレンジングなものですよ。脚本家として関わる時は、絶対に自分が考えていた通りにならない。監督として関わっている時は、絶対に撮った通りにならない。あの映画(『ダーク・フェニックス』)の場合、それ以上の出来事だったんじゃないかと思いますけどね。」

2020年5月21日には、『ジャスティス・リーグ』(2017)を途中降板したザック・スナイダー監督が、自らの構想に忠実な「スナイダー・カット」を製作することが発表されたばかり。『ダーク・フェニックス』についても、キンバーグによる当初のコンセプト通りに作られた映画を観たかったという声が挙がっているが、監督自身は「最終的には自分が撮ったもの、編集したもの、完成したものに満足しています」と語っている。「公開された映画は、結局のところ自分のビジョン通り」なのだそうだ。
「映画を作る中で自分のビジョンは変化していきました。『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014)のように、撮影したけど使わなかったというシーンはたくさんあります。いろんなシーンを撮りましたし、結末も劇場公開版とはずいぶん違ったんですよ。」
スナイダー・カットならぬ“キンバーグ・カット”を公開するためには、やはり相当の作業が必要になるという。監督いわく、「CGも音もまったくできていないシーンがあった」というのだ。20世紀スタジオがディズニー傘下に入ったことも含めて、おそらく実現はきわめて難しいとみられるが、キンバーグは完全版を求めるファンに向けて「サポートしてくださる方々に感謝します」と述べている。
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Source: IGN