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『バットマンvsスーパーマン』死者への敬意にまつわるファンのSNS考察、ザック・スナイダー監督が直接認める

DCエクステンデッド・ユニバースにおけるスーパーマンの誕生を描いた『マン・オブ・スティール』(2013)と、その後スーパーマンとバットマンが相まみえる『バットマンvsスーパーマン:ジャスティスの誕生』(2016)を繋ぐ要素にまつわる考察をファンがSNSに投稿したところ、なんと両作の監督であるザック・スナイダーその人が直接コメントを投稿し、話題となっている。

件の考察とは、両作における「ドクロ」の扱いに関するもの。投稿を行ったThe Kingslayerさんは、『バットマンvsスーパーマン』で登場したドクロ・ペイントの群衆は、『マン・オブ・スティール』に登場したスーパーマンの悪夢を暗に示唆しているのではないかと考察した。

なぜスーパーマンはドクロに囲まれたか

『バットマンvsスーパーマン』では、スーパーマンが「死者の日」の祝祭で起こった火災現場から女性を救出し、ゆっくりと地上に降り立つシーンがあった。居合わせた人々はスーパーマンに感服し、彼が女性を地に寝かせると、救世主に一指触れようと彼を取り囲む。その中に、ドクロのフェイスペイントを施した「死者の日」参加者たちの姿が象徴的に見られた。

なぜこのシークエンスではわざわざメキシコ「死者の日」が舞台に選ばれ、スーパーマンを崇める人々はドクロ姿で登場したのか。それは、『マン・オブ・スティール』のとあるシーンを示唆している、というのがThe Kingslayerさんの考察である。

そのシーンとは、ヴィランとしてスーパーマンに立ちはだかるゾッド将軍が見せる幻のシーン。ここでスーパーマンは、彼がこの先救えない死者たちのドクロの海に呑み込まれるのである。その後、映画のクライマックスでスーパーマンはゾッド将軍とメトロポリスの大都市で死闘を繰り広げ、多くの死者を含む犠牲者を出した。この展開は現実世界でも「命を粗末にし過ぎている」との指摘の声が一部で挙がったほどだ。『マン・オブ・スティール』でスーパーマンが起こした大きすぎる”付帯的損害”は『バットマンvsスーパーマン』でも主題として引き継がれた。

「死者の日」は死者への思いを馳せて語り合うキリスト教の祝祭。『マン・オブ・スティール』でも『バットマンvsスーパーマン』でもスーパーマンはドクロの海に呑まれるが、前者は自らが原因で起こしうる犠牲者の悲痛やスーパーヒーローの責任を表し、後者では死者を偲ぶ場で救世主として崇められている、またはスーパーマンが未だ自責の念に駆られていることを表していると捉えることができる。The Kingslayerさんは、このドクロというシンボルの一致は、スーパーマンおよびこの映画が「死者に敬意を表しているのではないか」と考察。この投稿に対しザック・スナイダー監督本人が「その通り」とコメントしたのである。

The Kingslayer
The Kingslayer

The Kingslayerさんが件の投稿で「まるで彼がようやく現れた神のよう」に描かれていると指摘するように、このシークエンスから「我々はずっと救世主を求めてきた。9割の人々が超人的な力を信じ、どの宗教も救世主を崇めている」と宗教的な説明がなされる。この場面では、スーパーマンがメディアや批評家が彼の是非を問う議論を余所に、人民を救うべく粛々と行動する姿が描かれる。『マン・オブ・スティール』で大勢の犠牲者を出したスーパーマンは、その苦悩の中「死者の日」参列者に囲まれたまま宙を見つめていたが、あの時彼は何を思っていたのだろう…。

ちなみにザック・スナイダー監督は長女の自殺を受けて製作中の映画『ジャスティス・リーグ』を降板。本撮影は終了しているという同作は、マーベル映画『アベンジャーズ』などで知られるジョス・ウェドンにそのバトンが引き継がれている。

映画『ジャスティス・リーグ』は、予定通り2017年11月17日の米国公開(日本公開は同年11月23日)を目指すという。

Source:http://screenrant.com/batman-v-superman-skulls-meaning-zack-snyder/
https://www.reddit.com/r/DC_Cinematic/comments/6hdli9/social_media_a_fan_reflects_on_the_connection_of/?st=j3y8m67u&sh=81219013
Eyecatch Image:https://www.amazon.co.jp/dp/B00XXRR02I/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_HkJrzbN6RBHCP 

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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