『007』ダニエル・クレイグ&ハビエル・バルデムが久々の再会、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のラストを語る

ここからは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の極めて重大なネタバレが含まれています。本編鑑賞後にお楽しみください。

「僕には『カジノ・ロワイヤル』の時からアイデアがあって、色々な理由からボンドには死んでほしいと思っていたんだ。1つの紛れもないエゴを終わらせる必要があると感じていて、もし引退してこれ以上やらないってなった時には、それしか満足できるものがなかった。そうしたら、他の誰かが全く違うものを作り出さなければいけなくなるでしょう。まあとにかく、上手くいかせる唯一の方法は、愛に基づいたものでないといけないと思った。『スカイフォール』だと、ジュディ(・デンチ、M役)への愛を描いた物語だったように、とても複雑で依存的で。愛にフォーカスすると、必ず良いものが生まれるんだ。
マドレーヌについては、前の映画では多くが明かされなかったでしょう。彼女は謎を秘めていて、その(ボンドとの)関係こそ掘り出していかないといけないと思った。人間として完璧ではないし、もちろん2人はお互いを狂おしいほどに愛している。それが終わりを告げる時こそ、僕が本当に理解した瞬間だったんだよね。思わずこう言ったっけ。“これを楽しまなきゃ”って。ずっと楽しい思いをしたわけではないし、たまにすごく大変だと思った時もあったよ。全てのことに真剣になりすぎて、多くのことを抱えすぎるみたいな。だから重要なものだけに集中しようともした。それが現場での僕だったし、どのシーンでも意識できた心構えだったんだ。[中略]とにかく価値のある死でなければいけなかったし、彼が生き延びたら愛する人達を全員死なせてしまうことになるから。」
これを聞いたバルデムは「胸が張り裂けそうだよ」と返事。ラストシーンでのボンドについて、「映画館で観た時はすっごく感情を高ぶらせたし、今でも響いている」と語った。ところで、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開されてから、ダニエルがラストシーンについてこれだけ語るのは貴重なこと。『スカイフォール』で絆を深めたバルデムだからこそ引き出せた言葉だろう。
このほかプライベートについてもたくさん語り合ったダニエルとバルデム。約25分の対談の中で、序盤(01:10〜あたり)にバルデムが「僕たち共通点がいっぱいあるんだよね!」と意気揚々にダニエルに話しかける姿が印象的だ。ちなみに2021年3月には、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)で共演したダニエルとマッツ・ミケルセンの対談が実現している。
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