【ハン・ソロなんでムッとしたの?】「ファルコン号 ケッセルランを12パーセク問題」を今さら解説

スターウォーズ:エピソード7 フォースの覚醒の劇中には、旧三部作(オリジナルトリロジー)ファンへ捧げるオマージュ要素が、たくさん散りばめられています。特に旧三部作の中でも1977年公開の第一作『エピソード4 新たなる希望』からの引用が多く見られ、今作を監督したJJエイブラムスが、何を目指して製作していたか、そこからもよく分かります。

ハン・ソロとチューバッカ

さて、エピソード7の物語序盤、ミレニアム・ファルコン号船内にての、ハン・ソロと主人公レイの出会いの場面でこんなやり取りがあります。自分達が借用したポンコツ船が、かつての銀河戦争で大活躍した伝説のミレニアム・ファルコン号だと知らなかったレイ。

「この船がミレニアム・ファルコン?ケッセルランを14パーセクで飛んだ船?」

それを聞いたハン・ソロ
「12だ!・・・14だと?」と少し気分を害した様子。

エピソード4を未見の方にはなんのことやら、あんまりわからないこの掛け合いもまた、エピソード4からのオマージュの一つです。日本語字幕や吹き替えだと意訳されて本来の意味とは違ってしまうことも多いのですが、この個所は英語でも、ほぼこの通りのやり取りをしています。

パーセクという単位について

パーセクとは、秒速の「per  second」の略ではなく、「parsec」と表記する天文学で用いる「距離」を表す単位です。wikipediaによると、「年周視差が1秒角になる距離を1パーセクと定義」と、記載されております。何言ってるかわからないので要点だけかいつまむと、「1パーセクは約3.26光年」ということらしいです。キロメートルとマイルみたいなものですかね。そうすると、先ほどのやり取りはこんな感じになります。

「この船がミレニアム・ファルコン?ケッセルランを46光年で飛んだ船?」

「39光年だ!」・・・はて。ハン・ソロは何に対して怒ってるのか全くわかりませんよね?ただ、旧三部作の熱心なファンはこのやり取りに込められた監督の粋なメッセージに、思わずニヤリとしたのでした。

元ネタ

スターウォーズ劇場公開第一作、『エピソード4 新たなる希望』のやはり序盤、主人公ルークとオビワンが、ハン・ソロと初めて出会う場面で、こんなやり取りがあります。帝国軍の捕縛を逃れオルデラーンへ行くため密輸業者ハン・ソロと交渉するルークたち。

ファルコンの性能を語るハン・ソロ

https://coub.com/view/69a48

ハン・ソロ「俺がハン・ソロ、ミレニアム・ファルコンの船長だ。オルデラーンまで行きたいんだって?」

オビワン「そうだ。君の船は速いのか?」

ハン・ソロ「速いかだって?ミレニアム・ファルコンの名を聞いたことがないのか?」

オビワン「ないね」

ハン・ソロ「俺の船はケッセルランを12パーセク(39光年)で飛んだんだぜ?」

速度を聞かれているのに、距離で答えるハン・ソロ。受け答えとして不自然ですよね?これはジョージ・ルーカス監督が脚本を書いた時点で、「パーセク」を速度の単位と勘違いしてしまっており、そのまま訂正されることなく撮影されてしまったというのが事の起こりです。ただの「間違い」だったのですが、スターウォーズの熱狂的なファンは、これを「間違い」として受け入れるのを良しとせず、何とか整合性がとれるような理屈をひねりだしました。
いわく、ケッセルランというのはスパイスが採れる惑星ケッセルへの航路のことで、この航路はブラックホールやらアステロイドベルトやらで、ひどく危険で不安定であった。密輸業者や腕利きのパイロットの間では、この航路をワープなどを駆使して「最短距離で走破」することを競いあっていた、という理屈です。それは船の性能と言うより、パイロットの腕の話じゃね?とは思うものの、一応は理屈が通った形になります。

JJエイブラムス監督は、わざわざレイに「14パーセク」と言わせて、ハン・ソロに訂正させ、このファンの間での通説を採用してますよ、僕もエピソード4のあのシーンが大好きなんですよ、と観客にメッセージを送っていたのです。ありがとう!JJ!日本でも受け取ったよ!

今も昔も、スターウォーズの世界は、どうかしてるファンたちの手によってがっちり支えられ、受け継がれていく、というお話でした。

Eyecatch Image:http://www.rollingstone.com/movies/news/harrison-ford-on-the-force-awakens-and-the-return-of-han-solo-20151215?page=8

About the author

1977年生まれ。週刊少年ジャンプ脳のクリーチャー愛好家。玩具コレクター。エンドレスダイエッター。「意識低い系」の文章を信条としています。

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