『28年後…』予告編のこのゾンビがキリアン・マーフィーだとしたら悲しすぎる

『28日後…』(2002)シリーズ新章『28年後…』の予告編映像が公開された。映像内に登場する感染者の一体が、1作目の主人公ジム(キリアン・マーフィー)なのではないかと話題になっている。
オリジナル作『28日後…』は、感染すると数秒で人間をゾンビ化させる恐怖のウイルスを題材としたサバイバル・スリラー。最初の感染拡大からわずか“28日後”にロンドンがゴーストタウン化してしまった世界が描かれた。この最新作は、それから『28年後…』を描く内容だ。
キリアン・マーフィーが演じた1作目の主人公ジムは、交通事故で昏睡状態に陥っている間に感染拡大が起こったため、目覚めると既に街がゴーストタウン化しており、わけもわからぬまま感染者たちから逃げ回らなくてはならなかった。道中で生存者の仲間と出会い、失い、数々の危機を潜り抜けながら、最終的には安全地帯へと辿り着き、救出されるような結末を迎えていた。
ところが『28年後…』の予告編では、花畑でヌッと起き上がる感染者が、マーフィーが演じたジムに酷似しているではないか。既に人間ではなくなっており、身体は骨と皮だけ。落ち窪んだ目は標的を残酷に睨みつけている。
この感染者がジムであるかどうか、厳密にはまだ確証は得られていない。マーフィーは本作に製作総指揮として参加しているが、出演者としてはクレジットされていないのだ。もっとも、ノンクレジットで出演していることもあるかもしれないし、この痩せこけた感染者はCGまたはパペットやアニマトロニクスで、マーフィーの素体を再現しているという可能性もあるだろう。
仮にこの感染者がジムであったとすれば、1作目『28日後…』のもの悲しい後日譚を暗示していることになる。安全な場所を見つけられたはずのジムだったが、結局感染者に襲われてしまい、他の人々と同様ゾンビ化、その後28年間にもわたって、人ならざる者として世界を彷徨っていたということだ。
『28日後…』劇中でジムは、人間社会がほとんど滅んでもなお残る自然の美しさに魅了されるような場面もあった。今回の予告編でこの屍は鮮やかな花畑にいるようだが、その花々の愛おしさも、今の彼にはとっくに意味をなさなくなっていることだろう。


最新作『28年後…』は、1作目のダニー・ボイルが監督復帰。脚本は『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)でもリアルな臨場感を演出したアレックス・ガーランドが手がけた。出演は『クレイヴン・ザ・ハンター』アーロン・テイラー=ジョンソン、『ハリー・ポッター』シリーズの実力派俳優レイフ・ファインズ、『最後の決闘裁判』のジョディ・カマーら。
『28年後…』は2025年、全国の映画館で公開。
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