2021年アカデミー賞、開催延期も視野か ─ 正式な議論や提案なし、主催者「状況の予測できない」

新型コロナウイルスの影響を受けて、“年に一度の映画の祭典”であるアカデミー賞授賞式の開催延期が検討されているという。米Varietyが、複数の匿名の情報筋から入手したものとして報じた。
2020年5月20日現在、映画芸術科学アカデミーは、2021年(第93回)アカデミー賞授賞式を2021年2月28日(米国時間)に開催すると告知済みだ。しかし、主催者に近しい人物の証言によれば、次回の授賞式は「延期もありうる」とのこと。もっとも、現時点で決定的な計画があるわけではなく、確かな議論や正式な提案がなされているわけでもないというから、あくまでも可能性のひとつとして視野に入っているものと理解するのが適切だろう。ある情報筋によれば、授賞式を放送する米ABCは予定を変更していないという。
4月末の時点で、アカデミー会長のデビッド・ルービン会長は、2021年の授賞式について「状況がどう変わるのか予測できない」と述べていた。「我々は映画を祝福したいと考えてはいますが、どのような形式になるのかはわかりません」。例年、授賞式の会場には大勢のスターや監督、フィルムメーカーたちが集ってきた。開催は約9ヶ月後だが、アメリカ国内で厳しい外出制限が要求されている現状を鑑みるに、例年と同じ規模や形式での開催が難しくなることはおそらく避けられないとみられる。しかし、もしも授賞式そのものが延期されるとなれば影響は大きい。開催時期をどこにずらすのか、選考対象となる公開時期がどうなるのかという問題が必然的に生じてくるのだ。
なお、映画業界がコロナ禍の甚大なダメージを受けていることから、アカデミー側は第93回の選考基準を一部変更することを発表済み。本来、アカデミー賞は「米ロサンゼルスの映画館で1日3回以上の上映を7日連続で実施した作品」を選考対象としてきたが、映画館の休業を受け、やむなく劇場公開から配信への切り替えとなった作品は選考対象となるのだ(配信後60日以内にアカデミー会員向けのプラットフォームで公開の必要あり)。一時的な特別措置であり、映画館の再開後は従来の基準に応じて選考されるというが、従来の方針からは大幅な転換といえるだろう。
Source: Variety