『アントマン&ワスプ』イギリスで公開遅延、ファンがパニックに ― 理由はワールドカップの開催

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に次ぐマーベル・シネマティック・ユニバース作品、映画『アントマン&ワスプ』の海外版予告編が公開される中、イギリスのマーベルファンがパニックに陥っている。本作はアメリカで2018年7月6日に公開されるにもかかわらず、イギリスでの劇場公開日が2018年8月3日に決定したのだ。
『アントマン』(2015)の続編映画である『アントマン&ワスプ』は、スコット・ラング/アントマンを主人公に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)以降を描くストーリー。新ヒーローであるワスプの初登場、さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』へ繋がる要素など、マーベルファンの注目は否応なしに高まるばかりだ。しかし、なぜイギリスでは1ヶ月も公開が遅れることになったのか……。
意外なことに、その理由は2018 FIFAワールドカップだった。今回はロシアを会場とする“4年に1度の祭典”は、2018年6月14日~7月15日に開催される予定。イギリスでは毎回非常に大きな注目が集まるため、ディズニー/マーベル・スタジオは『アントマン&ワスプ』がワールドカップと競合することを避けたというわけだ。同じ理由によって、ディズニー/ピクサー作品『インクレディブル・ファミリー』はイギリスではアメリカから約1ヶ月遅れ、ユニバーサル・ピクチャーズ作品『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は逆に米国より2週間以上早く封切られることが決まっている。
しかしイギリスのマーベルファンは、この采配に対して「サッカーはいい、アントマンを見せろ」「理解できない」「絶対ネタバレ見ちゃう」「お願いだからネタバレしないで」などと相次いでコメントしている。また米ScreenRantは「誰もがサッカーファンであるわけでも、また誰もが映画ファンであるわけでもない」と批判的な論調で記事を発表しながら、映画スタジオはワールドカップのプロモーション効果に期待しているのだと推測。ネタバレの問題にも言及し、「『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では(アメリカとイギリスで)公開日が1日違っただけでも厳しかった」と主張した。
アメリカとイギリスにおいて、大作映画の公開日にここまで大きなギャップが生じることは珍しい。『アントマン&ワスプ』や『インクレディブル・ファミリー』が約1ヶ月遅れて公開されることはイギリスの観客にとって相当の痛手なのだ。すでに一部のマーベルファンは、マーベルのイギリス公式アカウントやケヴィン・ファイギ社長の個人アカウントに公開日繰り上げのお願いを始めている状況だ。今後、署名活動などが始まってもおかしくないものと思われる。
映画『アントマン&ワスプ』は2018年7月6日に米国で、8月3日に英国で公開される。ちなみに日本では2018年8月31日ロードショーだ。
『アントマン&ワスプ』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/antman-wasp.html
Source: SR