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【ネタバレ】『アメリカン・アニマルズ』映画に登場した犯人たちのゾッとする心理、監督に訊いた

アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

この記事には、『アメリカン・アニマルズ』のネタバレが含まれています。

『オーシャンズ11』や『スナッチ』などの犯罪映画を参考に、想像の中では完全無欠の強盗計画を企てた4人だが、『アメリカン・アニマルズ』が描くのはあまりにも生々しい現実だ。ウォーレンのスタンガンの威力が弱く、図書館司書を気絶させられなかった彼らは、その罪悪感と緊張感のあまり途端にパニック状態に。お目当ての本をなんとか持ち出すも、図書館の構造が事前のリサーチと異なっていた。行き詰まった彼らは、ついに本を途中で放置して一目散に脱走する。

それから描かれるのは、捜査の手が忍び寄るのをただ待つほかない4人の、顔も青ざめる悪夢だ。一体、彼らの本当の動機は何だったのか。バート・レイトン監督に尋ねた。

『アメリカン・アニマルズ』バート・レイトン監督
©THE RIVER

どこかで失敗すると分かっていた

──もしも強盗計画が成功していたら、彼らは何をしていたんでしょう。

実際、どうなると思っていたのか尋ねたことがありました。そしたら、失敗するって自分たちでも分かっていたんですって。実は上手くいくなんて思っていなかったらしいんです。最後まで行ってしまう前に、どこかで止まると思っていたんです。

──何という…。彼らは、何故自分たちが失敗したのか語っていましたか?この事件を後悔しているんですか?

後悔していましたよ。なぜ後悔しているかというと、失敗する運命と分かっていたからです。そもそも実行の動機は、「一線を越えたい」という気持ちだったんです。どうなってしまうのか、怖いもの見たさだったって。でも、さっき言ったように、心の何処かで一線は超えないものだと、上手いことギリギリで止まるものだと思っていたらしいんです。なぜ失敗したのか?自分たちでも失敗すると分かっていたからですよ。犯罪者とは違う、別の人生が待っているものだと思っていたんです。だからしくじったんです。

アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

──そう聞くと、改めて誰にでも起こりうる話だなぁとゾッとします。僕だって、もしも世間知らずの学生時代に同様の泥棒計画を友人に持ちかけられたら、若気の至りで乗ってしまっていたかもしれない。

そういうもんですよ。怖いもの見たさってやつです。

アメリカン・アニマルズ
© AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

映画『アメリカン・アニマルズ』は2019年5月17日(金)新宿武蔵野館、HTC渋谷ほか全国ロードショー。なお、バート・レイトン監督へのインタビュー記事全文は以下にて。

獄中の証言から脚本を書いていた

『アメリカン・アニマルズ』公式サイト:http://phantom-film.com/americananimals/

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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