J.J.エイブラムス、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』批判に動じず ─ 「インターネットってそういうもの」

伝統の脱構築に挑んだ映画スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、その試みと結果を成功と称賛するもの、失敗と咎めるものとで真っ二つに割れた作品だ。興味深いことに、『フォースの覚醒』でJ.J.エイブラムス監督が用意した多数の伏線を、『最後のジェダイ』ではライアン・ジョンソン監督があっと驚く意外な方法で翻し、最終的にはJ.J.監督が再び『エピソード9』で全てを回収する展開となった。重大なバトンが手元に戻ったJ.J.監督は、米IndieWireの取材にて『最後のジェダイ』が巻き起こした議論を冷静に斬っている。

J.J.監督の発言を紹介する直前のIndieWireの前提説明はやや過激だ。特にローズやホルド提督といった女性キャラクターの台頭目覚ましい『最後のジェダイ』は、「ポリティカル・コレクトレスを意識し過ぎ」「フェミニズムとダイバーシティが映画に過剰に取り込まれ、結果としてスター・ウォーズの世界観を台無しにしてしまった。リベラリズムは映画と別で語るべきである」との意見を取り上げる。対して「エイブラムスはこれに動じない」の触れ書きで、監督の主張を以下のように伝えている。

「『スター・ウォーズ』とは広大な銀河ですから、この世界では何だって見つかるわけです。もしも女性に虐げられて、仕返しを目論んでいるなら、『スター・ウォーズ』にいい敵が見つかる。ジョージ・ルーカスの第一作(『新たなる希望』)を振り返ってみても、レイアが生意気過ぎるとか、頑固者過ぎると言うこともできるでしょう。粗探しする目で観れば、必ず見つかってしまうというもの。インターネットって、そのために存在するようなものですよ。」

J.J.エイブラムス監督が指摘したのは、時に偏った主観が作品の印象を歪曲してしまうこともある、というものだ。『最後のジェダイ』は『スター・ウォーズ』サーガにとって、とりわけ弁護が必要なほど大きな衝撃をもたらしたわけであるが、『エピソード9』では「僕たちが子供の頃に感じた興奮や、(『スター・ウォーズ』の)かつて大好きだった部分に近づかなければならないんです。そして同時に、みんなの知らない場所に連れていかなければなりません。それが僕たちの責任です」と意気込むJ.J.監督にとっては、今作のすべてを受け入れて突き進まなければならない。同インタビューで監督は「『スター・ウォーズ』には熱狂的かつ主張の激しいファンが数多くいる。みなさんがそれぞれの意見をたくさん持ってますよね」とも語っているが、分断したファンダムを取り持ちながら新三部作を締めくくるプレッシャーたるや、想像絶するものがあるのだろう。

映画『スター・ウォーズ エピソード9(仮題)』は2019年12月20日に米国公開予定

Source:https://www.indiewire.com/2018/02/jj-abrams-star-wars-last-jedi-women-1201929593/

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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