なぜヨーダはシスの◯◯◯◯を知っていたのか?『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』で起こった謎が「アコライト」に繋がる

『スター・ウォーズ』の新ドラマ「アコライト」の物語は、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)で浮かび上がった“とある疑問”に着想を受けているという。なぜヨーダは、シスの「2人の掟」を知っていたのか?というものだ。
2人の掟とは、シス卿は同時期に2人しか存在してはいけないという掟のこと。『ファントム・メナス』の時点でシスは1000年前に滅びたとされていたが、ヨーダがこの掟を即座に口にしたのはなぜか?と、「アコライト」のショーランナーであるレスリー・ヘッドランドは関心を抱いたようだ。
『ファントム・メナス』では、惑星タトゥイーンでアナキン・スカイウォーカーを見出したジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンが、ナブー・ロイヤル・スターシップに乗って惑星を発とうとしたところ、謎のシス卿ダース・モールの奇襲を受ける。クワイ=ガンは咄嗟に応戦し、スターシップに飛び込んで難を逃れる。そこでパダワンであるオビ=ワン・ケノービに「あれは何者ですか」と尋ねられると、「わからんが、ジェダイの武芸に通じている」と息切れしながら答える。
コルサントのジェダイ評議会に戻ったクワイ=ガンは、刺客の正体について「シスの暗黒卿としか考えられません」と報告。ここでジェダイらは、シスは1000年前に滅びたのだからありえない、復活したなんて考えられないと否定しているが、クワイ=ガンは当時の常識で「ありえない」「考えられない」とされる見解に、すぐに至っていたわけだ。
その後、ダース・モールとの戦いで命を落としたクワイ=ガンを火葬する側で、ヨーダは相手がシス卿だったと確信。「奴らは常に2人。マスターと弟子だ」と、2人の掟について言及する。
こうしたジェダイ側の理解に興味を惹かれたと、ヘッドランドは米Den of Geekに話している。「タトゥイーンでダース・モールと戦ったクワイ=ガンは、相手がシスだとすぐに気づき、ジェダイ評議会に報告していましたよね。ヨーダも2人の掟、つまり(シスは)常にマスターと弟子の2人であると知っていました。ジェダイはシスが絶滅したと考えていたけど、シスに関するそういう知識は少しあった。それは古代史のものではないと思うんです。あの情報をあんなに早く分かったということは、過去100年くらいのことだったんじゃないかなと、私は思ったんですよ」。
つまり、『ファントム・メナス』のもっと近代にシスにまつわる何らかの出来事があり、ヨーダはその知識を有していたので、シスに対する理解の解像度が高かったのではないか、ということだろう。「アコライト」は、まさに『ファントム・メナス』から100年前を舞台に、シスが台頭する暗黒面の物語が描かれる。このドラマで起こる出来事が、結果的に『ファントム・メナス』に通じていく部分もありそうだ。
あえて反対の考えも記しておこう。ヨーダは知恵の象徴のようなキャラクターでもあるし、シスの基本的な知識であろう「2人の掟」を知っていても、さほどおかしくはないはずだ。1000年前というと、我々で言えばだいたい平安時代のことだ。たとえば源氏物語や枕草子など、当時の文化を身近に認知する現代人も多い。そう考えれば1000年前のシスの掟を、長老格であるヨーダが知っていても変ではない気もする。
「スター・ウォーズ:アコライト」は2024年6月5日(水)よりディズニープラスで初回2話日米同時独占配信開始。
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