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コッポラ『メガロポリス』は「1.2億ドルを芸術に費やすことで、金に映画の内容を左右させなかった」とアダム・ドライバー「これぞ信念ある生き方」

メガロポリス
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アダム・ドライバーが、『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』などの巨匠フランシス・フォード・コッポラとタッグを組んだ最新作『メガロポリス』と、コッポラの映画製作に心からの賛辞を贈った。

4月25日(米国時間)、コッポラはアメリカン・フィルム・インスティテュートの生涯功労賞を受賞。授賞式にはスティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカス、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ハリソン・フォード、モーガン・フリーマン、ダスティン・ホフマン、ロン・ハワード、スパイク・リー、エル・ファニング、ダイアン・レインらが祝福のために出席した。

会場で熱いスピーチを贈ったのが、『メガロポリス』主演のアダム・ドライバーだ。本作はコッポラの悲願であり、私財1億2,000万ドルを投じて完成した渾身の一大叙事詩。賛否両論まっぷたつで、Rotten Tomatoesでは批評家スコア45%・観客スコア35%を記録したほか、全世界興行収入は1,400万ドルという痛手を負いつつ、いよいよ6月20日に映画ファン待望の日本公開を迎える。

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壇上より、ドライバーはコッポラを「私のヒーローのひとり」と呼び、生涯功労賞の受賞を喜んだ。「彼は舞台演出家としてのやり方を映画に持ち込み、映画に対する考え方、そして映画の作り方に革命を起こしました。彼の映画はある意味での基準であり、私の意見では、少なくとも『メガロポリス』のように映画の可能性を示す手本なのです」。

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特に称賛するのは、『メガロポリス』で莫大な私財を投じ、確固たる姿勢で映画製作をコントロールしたことだ。「1億2,000万ドルを芸術作品に費やすことで、金に映画の内容を左右させなかった。信じてほしいのですが、“どうすればもっと商業的な映画になるか”という話は一度もありませんでした」。

「これこそが信念のある生き方です。芸術の重要性が小さくなり、我々の産業に秘密がなくなったような今、映画の成功を判断する唯一の指標は“どれだけお金を稼いだか”になりました。私はフランシスのように信念を貫き、大胆な行動を通じて、メディアを前進させる人物にインスピレーションを受けます。

フランシスは1億2,000万ドルを手にし、映画で何ができるのかを考え、唯一無二の行動に出ました。その影響は、彼の映画の中だけでなく、時代を超えて、そしてこの場所でも感じられるでしょう。ですから、フランシスの受賞に複雑な意見があることは理解しますが、皆さんがおっしゃるように、あなたはこの瞬間にふさわしい人です。あなたが成し遂げたことすべてを祝福し、あなたと、あなたの寛大さと勇気を祝福するため、ここにいられることを光栄に思います。」

ドライバーのスピーチは、『メガロポリス』でゴールデンラズベリー賞で最低監督賞に輝いたコッポラ自身の言葉にも響き合っている。

コッポラは「現代映画製作の流れに逆行する勇気を持つ者がほとんどいない今、最低監督賞や最低脚本賞、最低映画賞にノミネートされるという特別な栄誉に感激しております!」と声明を発表。「芸術がプロレスのように評価される今、私は、リスクを恐れるあまり50年後も生き残る映画を作れなくなるであろう業界が定めたルールに従わないことを選びました」。

映画『メガロポリス』は2025年6月20日(金)全国ロードショー。IMAX上映も予定されている。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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