ベン・アフレック、もうヒーロー映画に興味ナシ ─ 『ジャスティス・リーグ』は「耐えがたい経験だった」が「僕ももっとうまくやるべきだった」

「何をやっているのかわからないなりに、なんとかいいものを作ったこともあれば、自分が誇りに思えないもの、ひどいものを作ったこともある」と、俳優ベン・アフレックは言う。映画監督としての顔が、自分のキャリアをつなぎとめてくれたのだと。「(監督と違って)俳優はコントロールできない。それが大きな教訓だった」。
『ジャスティス・リーグ』(2017)や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)で演じたバットマン役は、アフレックが特に複雑な思いを抱いていた役柄だ。単独映画『ザ・バットマン』で主演・脚本・監督を務める予定だったが、『ジャスティス・リーグ』の撮影で大きなストレスを受けたこと、アルコール依存症などを理由として離脱している。
米GQのロングインタビューで、アフレックは当時を「本当に耐えがたい経験だった」と振り返っている。そうなったことには複数の原因があると。
「“スーパーヒーロー映画に出るのは……”というような単純な話ではありません。再びあのジャンルをやることに興味はないけれど、それはひどい経験をしたせいではなく、自分がどこに興味を持っていたのかがわからなくなったからです。もちろん、あんな体験を再びしたいとは思いませんが。」

アフレックは当時の様子を回想し、「原因の多くは、意図や理解、期待にズレがあったこと」だと語る。そして、当時の自分も大きな失敗をしていたと。「僕自身があらゆる不幸を仕事に持ち込んでいて、ポジティブなエネルギーをもたらせなかった。問題を起こしたわけではないけれど、ただ職場に行って自分の仕事をし、帰っていくだけでした。もう少しうまくやるべきでした」。
今後スーパーヒーロー映画に出る予定も、またDC映画の監督を務めることも考えていないというアフレックだが、バットマンを演じること自体は「楽しかった」と即答する。「『バットマン vs スーパーマン』は大好きだし、『ザ・フラッシュ』(2023)の短い仕事や『スーサイド・スクワッド』(2016)でヴィオラ・デイヴィスと数日仕事をしたのも良かったですよ」。
とりわけ気に入り、『バットマン vs スーパーマン』で追求したのが「年を取り、壊れて、傷ついたブルース・ウェイン」の人物像だった。けれども、今では「大人向けすぎた」と率直に認めている。「当時、僕の息子でさえ怖がって映画を観られなかったんです。そのときに“これはまずいぞ”と思いました。そして、その方向性を続けたい作り手と、若い観客を取り戻したいスタジオの対立が起こった。2つの団体、2人の人間がまったく違うことをやりたがるのは最悪のレシピです」。
『ジャスティス・リーグ』の撮影から約9年が経過し、その間に自分のキャリアを更新し、製作会社を立ち上げ、プライベートの問題も克服してきたアフレック。一連のトラブルを思い出しながら、「この仕事で大切なのは、そんな状況を避けようとすること」と言い切っている。「僕はフィルムメイカーとキャスト、スタジオのパートナーシップを整えたいんです。そうすればズレは生まれないし、より良い仕事ができるから」。
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Source: GQ