『アベンジャーズ』ルッソ兄弟の制作会社が『メイプルストーリー』ゲーム会社ネクソンと大型提携、ゲームの映像化も視野に

『アベンジャーズ』シリーズなどで知られる映画監督コンビ、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟の制作会社AGBOと、日本に本社を置く大手ゲーム会社ネクソンが大型提携を発表した。ネクソンは、『メイプルストーリー』をはじめとする既存、および新規IPのグローバル展開を促進することを視野に、AGBOに対して4億ドルの戦略的マイノリティ投資を行った。
2017年に設立されたAGBOは、映画やドラマ、デジタルメディアといったジャンルの開拓に注力している制作会社。クリス・ヘムズワースが主演を務めた映画『タイラー・レイク-命の奪還-』(2020)は、Netflix史上3番目の視聴記録を樹立(本記事掲載時点)。AGBOは、今後の公開スケジュールに『タイラー・レイク』続編や、同じくNetflix映画としてクリス・エヴァンスとライアン・ゴズリングがW主演を飾るアクション・スリラー『The Gray Man(原題)』などを控え、一目置かれた存在として活動している。
一方、ネクソンは、世界最大かつ最も成功しているゲーム会社の1つとして、エンタメ業界をグローバルで牽引。総収入180億ドルを超える『アラド戦記』や韓国の人口のほぼ半分がプレイしているといわれる『メイプルストーリー』、PC版のみで3億8,000万人以上の累計登録者数を誇る『カートライダー』など、業界を代表するゲームタイトルを保有している。
このたびの提携を通して、ネクソンはゲーム及びバーチャルワールドの開発・運用経験を活かしながら、 AGBOの制作活動及び自社のIP保有をサポートすることになる。冒頭の4億ドルの戦略的マイノリティ投資に加えて、AGBOから要望がある場合は、2022年上半期に最大1億ドルの追加投資を実施する予定だという。
またネクソンは、AGBOの株式を38%保有することになり、同社の筆頭株主として会社の意思決定に関与していくことになる。これに伴い、本取引を主導したネクソンの中心メンバー、ニック・ヴァン・ダイクとNexon Film&Television部門のシニア・バイスプレジデントであるティム・コナーズが、AGBOの取締役に就任した。なお、ヴァン・ダイクはディズニー社、コナーズはマーベル社の元幹部として知られている。
このたびの発表に際して、アンソニー・ルッソとジョー・ルッソは「ネクソンとの協業は、エンターテインメント分野にとって重要なターニングポイントであり、グローバルで映画制作とゲームの融合を促進させて参ります」とコメント。「両社のコラボレーションはストーリーテリングの未来に対する我々の共通のビジョンに基づいており、両社の独自の能力を活用していく所存です」と意欲を見せた。今後の動向に期待したい。
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