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【ネタバレ】「アソーカ」第3話解説 ─「マンダロリアン」と交差、『エピソード4/新たなる希望』との共通点

アソーカ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第3話『飛び立つ時』のネタバレが含まれています。また、アニメ「反乱者たち」の内容にも触れています。

「スター・ウォーズ:アソーカ」第3話『飛び立つ時』ストーリー解説

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スター・ウォーズ』ドラマ「アソーカ」第3話『飛び立つ時』は、惑星シートスへと向かうジェダイ・シャトルでの訓練風景から始まった。サビーヌ・レンがヒュイヤンから、木剣を使ってのジェダイの訓練を受けている。

ブランクの割には良しという評価が下るが、師匠アソーカ・タノが“ザトーチ”の訓練を提案するとヒュイヤンは「早すぎる」と一蹴する。アソーカは「心を開く」大切さを説き、構わずザトーチの訓練を開始する。なんとその内容は目隠しをした状態で相手の攻撃を読むというものであった。

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「声を聞き意図を感じ取れ」と指導されるも、アソーカからの攻撃を全く予知できないサビーヌ。誰もいない空間に向かって闇雲に刀を振るってしまう。時間がかかりながらも、ついに刀の位置を読んでそれなりの応戦をするも、アソーカの足かけを喰らって倒れてしまう。まだまだ修行が必要そうだが、少しコツはつかめたのかもしれない。

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場所は変わり、惑星コルサントの軌道上にホーム・ワンを旗艦とする艦隊が集結している。ヘラ・シンドゥーラ将軍が艦橋からホロ通信で、モン・モスマ議長ら政治家たちと会合を行うようだ。モン・モスマとは、帝国時代からパルパティーン皇帝を毅然と批判した元老院議員。後に議員を辞職して反乱軍のリーダーとなり、今では新共和国をまとめる議長の座についている。

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ヘラは彼女の輸送ミッションを行ったこともあり彼女との関係は深い。そんな2人の会話を遮って本題に引き戻したのはハマト・ジオノ議員。アニメ「レジスタンス」で初登場した新共和国の元老院議員だ。

ヘラの報告に対する議員の反応は、ドラマ「マンダロリアン」シーズン3で描かれた一連の流れを思い起こさせる。帝国忠誠派の存在を例外的なケース(outlier)と矮小化するのは、第5話でカーソン・テヴァのネヴァロへの出撃要請を承諾しなかった大佐の態度と似ている。新共和国の驕りや政治的な縛りもあり、個別の事件を大局的な視点から俯瞰することができないのだ。

また、女性議員の「帝国艦隊は崩壊し首脳部も消滅した」という発言に対しては、第7話に登場したシャドー評議会の存在が思い出される。帝国残党らは“首脳部”を持ちながら、目立った活動を取らずに影で協力し合うことで、新共和国の注目を引かずに力を蓄えているのだ。銀河の中心で統治の座につく新共和国の目からは見ることができない。皮肉な話だが、帝国残党のやり口は「キャシアン・アンドー」で描かれたルーセン・ラエルの反乱軍の戦法とよく似ている。立場が変われば、視点も行動も様変わりしてしまうようだ。

「戦争に生きた者として再発を防ぎたい」と訴えるヘラであったが、議員たちは首を縦には振らない。エズラの生存を否定されると、珍しく感情的になり取り乱す場面もあった。モスマが場を宥め、“協議”を行うということで解散となる。

艦橋を出ると、息子のジェイセンがやってくる。サビーヌがジェダイの修行を再開したことをチョッパーから聞き「ジェダイになりたい」と母にねだる。ジェイセン・シンドゥーラは、ジェダイのケイナン・ジャラスとヘラの間に生まれた息子。「反乱者たち」最終話のエピローグでその存在が紹介された。無邪気な息子の言葉に対し、ジェダイとして自己犠牲で命を落としたケイナンを思い出すヘラの心中は複雑であろう。

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場面は戻ってジェダイ・シャトルに。フォースを使えないことを嘆くサビーヌに対し、アソーカは訓練と集中力が大事だと教える。まずはコップを動かすという“小さなこと”から始めるよう提案。操縦席に戻ったアソーカに、ヒュイヤンは「オーダーも(サビーヌを)候補生として受けいれなかっただろう」「マンダロリアンのジェダイは歴史上ごく少ない」と悲観的な意見をぶつけた。しかしアソーカは彼女をジェダイとして育てたい訳ではないと主張する。

ちなみにマンダロリアンで初めてジェダイになったのは、ター・ヴィズラという人物だと言われている。彼が作製した黒い刃のライトセーバーは「ダークセーバー」と呼ばれ、偶然かフォースの導きか、サビーヌも一時的にその所有者となっている。彼女はター・ヴィズラに続き、ジェダイとなる運命だったのであろうか。

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そこにヘラから通信が入る。援軍としてシートスへ向かえないことが伝えられた矢先に通信障害が発生。ハイパースペースから離脱すると、6機のスター・ファイターが襲いかかってきた。率いるのはシン・ハティ。マロックや傭兵たちも猛攻を仕掛けてくる。サビーヌは半分の敵を撃墜する善戦を見せるも、モーガン・エルズベスの乗るシオンの目からの砲撃でシャトルはパワーを失ってしまった。

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ヒュイヤンも電源が落ちてしまう中、サビーヌは急いで船の修理に取りかかる。間に合わないと悟ったアソーカは宇宙服をまとって船外で敵船を迎え撃つ。「クローン・ウォーズ」シーズン2の第2話では、アナキン・スカイウォーカーの大胆な作戦で敵戦艦に“上陸”した際に、アソーカも宇宙服で戦闘を行っていた。宇宙空間での戦闘は「クローン・ウォーズ」らしいと言えるであろう。

無事に船のパワーが復旧し、シャトルはシートスの大気圏に逃げ込む。立ちこめる雲の中に正体不明の物体を捉えると、それはパーギルの群れであった。サビーヌは大群に紛れて追っ手を振り切り、森林に着陸する。

ヒュイヤンが敵船をスキャンした結果によると、シートス軌道上に浮かぶのは建造中の巨大なハイパースペース・リングであることが判明する。“リング”とは、ハイパードライブを搭載していない船がハイパージャンプするために装着するものだ。あのリングにさらに巨大な船がドッキングすることもあるのだろうか。

このリングなら別の銀河へ飛ぶことも理論上は可能であること、その航路はパーギルの移動経路を元にして作られたことをヒュイヤンが話す。パーギルは別の銀河からの来訪者なのかもしれない。

一方、敵方はベイラン・スコールがシートス地上に降り立ち、アソーカの追跡を開始する。前話の最後には意味ありげに「(アソーカを)殺すとなれば惜しい。ジェダイは残り少ない」と漏らしたベイラン。彼の腹の底とは一体…?

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本話は全体的に『エピソード4/新たなる希望』(1977)をなぞった作りになっている。ハイパージャンプ航行中の船内で行われる、目隠しした状態でのジェダイの訓練(ミレニアム・ファルコン内でのオビ=ワンによるルークの修行)。船に迫る敵の戦闘機(デス・スター脱出後のミレニアム・ファルコン)。目の前に現れる謎の巨大建造物(オルデラーン跡地付近に浮かぶデス・スター)。注意深く見ると、カメラワークもエピソード4を彷彿とさせるものがあり、本話が“未知の世界への第一歩”であることを予感させる。

パーギルを見てエズラを思い出すサビーヌとアソーカ、ついに口を開いたマロック、腹の読めないベイラン、ひたむきなシン・ハティ。彼らの織りなす物語はどこへ向かうのか。

「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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