【ネタバレ】「アソーカ」第4話解説 ─ あの人登場の衝撃回、アニメとの繋がりもわかる

この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第4話『堕ちたジェダイ』のネタバレが含まれています。また、アニメ「反乱者たち」の内容にも触れています。

Check「スター・ウォーズ:アソーカ」エピソード解説
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【ネタバレ】「アソーカ」第4話解説 ─ あの人登場の衝撃回、アニメとの繋がりもわかる - 5.
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「スター・ウォーズ:アソーカ」第4話『堕ちたジェダイ』ストーリー解説
『スター・ウォーズ』ドラマ「アソーカ」第4話『堕ちたジェダイ』は、惑星シートスで立ち往生するアソーカ・タノ、サビーヌ・レン、ヒュイヤンの様子から始まった。サビーヌはヘラ・シンドゥーラ将軍に救難信号を送ろうとするが、通信機を始めとする諸々の機能が壊れてしまっている。

サビーヌはアソーカに船の状況を報告しに行くが、唐突にもアソーカはこれまで誰も口に出さなかった“本作の命題”を投げ掛けた。つまり「スローン大提督の復活を阻止するために、エズラ・ブリッジャーの帰還を諦められるか」だ。作中でも描かれた通り、数々の困難を共にしたスペクターズの中でもエズラはサビーヌにとって“きょうだい”のような存在だ。恋愛感情を超えた愛で繋がれていると言っていいだろう。

答えをはぐらかして話を進めようとするサビーヌ。第1話で彼女は「星図とデータを持ち出すな」と明言するアソーカに対し、うんと答えながら約束を破った。エズラとの仲も知るアソーカは、今回はサビーヌの心情に寄り添い、その後も対話を続ける。
まずはサビーヌに「頼りにしていい?」(Can I count on you?)と問う。初手から恐ろしい斬り込みようだ。というのも「頼りにしている」(I’m counting on you.)はエズラがサビーヌに言い続けてきた言葉であるからだ。第1話のホロメッセージでは特に「スローンを倒すために、僕はジェダイにしかできない(無私の)決断をした」と言った後に続いた言葉であることを踏まえると、サビーヌのジェダイとしての覚悟が試される質問ともいえる。
サビーヌは「もちろん」と返すが、その表情にはいくぶんかの怒りも見えた。これは、後半にベイラン・スコールから明かされた「君の家族はマンダロアで死んだ」という新事実が関係していそうだ。
この一言を理解するために、アニメ「反乱者たち」(2014-2018)で明かされたマンダロリアンたちの歴史を振り返ろう。銀河帝国が誕生すると惑星マンダロアの統治者ボ=カターンは帝国に従うことを拒否し、代わりにガー・サクソンが統治の座についた。その後、マンダロリアンたちは長らく帝国の支配に甘んじてきた。
しかし、サビーヌがマンダロア支配者の象徴であるダークセーバーを取り戻し、ボ=カターンに渡すことでマンダロリアンの各氏族が結集。彼女を中心にマンダロア奪還を目指した戦いが始まった。
その後の結末は「ボバ・フェット」の回想シーンで描かれた。帝国は圧倒的な兵力でマンダロリアン連合軍を追い詰め、ついにボ=カターンは民の命の保障と引き換えに降伏を決断する。残念ながら約束は即座に反故にされ、マンダロアは大規模な爆撃を受けて荒廃してしまった。
サビーヌの母ウルサ・レンはボ=カターンの腹心的な存在であった。つまり、彼女の家族たちレン一族はボ=カターンと共に帝国で戦い、マンダロアの地で殺されたのであろう。「アソーカがサビーヌを信じなかったせい」で家族が死んだと言われたが、アソーカにも引き留めた理由があったのだろう。いずれにせよ、オビ=ワンに止められていたせいで母親を救いに行けなかったアナキンと境遇が似ており、イヤな予感がしてしまう。
ストーリーに戻ろう。船内に戻った後、アソーカは「私情を捨てて正しきことを行うべき時がある」と直接的な表現でサビーヌの意思を確認した。やはり納得しきれていなかったサビーヌは「本当にそう思う?」と疑問を呈す。アソーカは「そう信じないと」と返すが、また曖昧なうなずきしか得られなかった。
船外では修理を続けていたヒュイヤンが襲撃に遭う。アサシン・ドロイド相手に健闘する姿は「クローン・ウォーズ」シーズン5第7話で頭と両腕を失いながらも海賊を蹴り倒した勇姿を思い起こさせる。異変に気付いた2人も降りてきて戦闘となる。
ジェダイとマンダロリアンの共闘シーンは、まさに近年の『スター・ウォーズ』実写ドラマシリーズ最大の醍醐味であろう。ドラマ「マンダロリアン」(2019-)のシーズン2でもアソーカはマンダロリアンのディン・ジャリンと組んだが、戦闘は別々であった。
2人は見事なコンビネーションで全ての敵を倒す。続けて地上基地へと向かおうとすると、ヒュイヤンから「君らは離れるな」と頼まれる。照れ臭がりながらもまんざらでもないようで久しぶりの笑顔が戻り、2人は揃って船を後にする。

場所は変わって新共和国の軍艦ホーム・ワンの船内へ。第3話でスローン探索ミッションをモン・モスマ議長ら政治家に承認されなかったヘラは、構わず2人の増援に向かうようだ。“生まれながらのパイロット”である息子ジェイセンを副操縦士に乗せ、ゴーストで飛び立つ。
ゴーストとは「反乱者たち」でヘラ、サビーヌ、エズラたち“スペクターズ”が拠点とした船である。拠点というよりも、苦楽を共にした“家”と表現した方がいいかもしれない。「反乱者たち」のファンならば感慨深いシーンであろう。
ちなみに、ヘラはゴーストに乗って『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のスカリフの戦い、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)のエンドアの戦いに参加している。第2話で登場したファントムIIは、ゴーストの上部後方にドッキングされている。
ゴーストに同行するXウィングの船内には、カーソン・テヴァの姿があった。彼は「マンダロリアン」で初登場した新共和国のパイロットだ。シーズン3チャプター21「海賊」では海賊に襲われたネヴァロを助けるため、惑星コルサントまで直訴しに行くほどの正義感の持ち主である。彼も陰謀の存在を訴えるも、上層部にあしらわれた人物であるため、同行者としてはうってつけだ。

その頃、シートスの地上基地ではハイパージャンプの座標計算が始まる。阻止に向かう2人の前に、シン・ハティとマロックが立ち塞がった。サビーヌはシンと、アソーカはマロックとそれぞれ激戦を繰り広げ始める。まずはアソーカが勝利を収めた。腹を斬られたマロックは、ダソミアの魔法だと思われる煙のようなものを出しながらその場に倒れ込む。

サビーヌは助太刀を頼まず、アソーカに星図を取りに行くよう頼んだ。“私情を捨てる”アソーカは基地へと急ぐ。ヒュイヤンの約束が早くも崩れ去ってしまった。

アソーカは地図を守るベイラン・スコールと対峙する。まずは言葉での牽制が始まった。「アナキンが君を褒めていた」に対し、「興味深いわね、あなたのことは何も」と返すアソーカ。しかしベイランはアナキンの闇堕ちを話題に出し「衝撃だったろうな?だから去ったのか、彼を見放して」と続ける。これは「反乱者たち」で実際にアソーカが向き合った葛藤だ。急所を正確に突いてくる。

いよいよ2人はライトセーバーを起動させる。長いにらみ合いの後、圧倒的なパワーのベイランと俊敏さのアソーカの間で激しい攻防が繰り広げられるが、隙を突いてアソーカがベイランの姿勢を崩し、星図を遺跡から取り出すことに成功する。しかし、取り出した際に星図を取り巻いた謎の力で左手を負傷してしまい、ベイランに押され始めてしまう。
そこにサビーヌとの戦闘から逃れたシン・ハティが到着し、星図を元に戻そうとする。サビーヌが負けたと思ったアソーカは怒りに任せてフォースでシンを投げ飛ばした。遅れてサビーヌも到着。星図を壊すと脅すが、ベイランは構わず弱ったアソーカを追い詰め、荒れ狂う海へと突き落とすのであった。
サビーヌのブラスター攻撃は虚しくも全て弾かれてしまう。星図を壊さなかったことに違和感を覚えたベイランは、サビーヌの頭の中をフォースで探った。サビーヌにとって、この星図こそが唯一残された家族エズラと再会するための手段であることを理解し、ベイランは協力を申し出る。サビーヌは星図を渡してしまった。2人はシスではないが、相手が欲しいものと引き換えに従属を迫るその手口、そして首を絞めるフォースチョークを使う姿は、まさしくシス的である。
ようやくヘラたちがシートスに到着。進路を遮ることで“シオンの目”を止めようとする。サビーヌを捕虜として連行したベイランらを乗せた船がシオンの目に到着するも、迎撃は行われない。6隻の小型船ではハイパージャンプを邪魔するに至らなかったのだ。モーガン・エルズベスは構わずジャンプを行い、その衝撃によって多くのXウィングが失われてしまった。
一方、死んだと思われたアソーカは星々に囲まれた謎の空間にいた。聞こえてきたのは「やあ、お調子者」(Hello, Snips)という柔らかな温かな声。「こうも早く再会するとは」と続けたのは、アソーカのかつてのマスター、アナキン・スカイウォーカーであった。

この場所は恐らく「反乱者たち」に登場した“世界の狭間の世界”で間違いないであろう。その場所はフォースに満ちた神秘的な領域で、時空を超えて過去・現在・未来の全ての場所とポータルで繋がっている。かつて惑星ロザルにあったジェダイ寺院に入り口があり、エズラが一度だけそこに入ることに成功したが、脱出後に寺院は崩れ去ってしまった。
アソーカは「世界の狭間の世界」のポータルから手を伸ばしたエズラによって、ベイダーとの対決での窮地から救われた過去を持つ。ということは今回、アナキンが彼女を救ったのであろうか……?スピンオフ作品で登場した要素が絡まり合い複雑な展開となってきたが、次回は満を持してデイヴ・フィローニ監督エピソードである。この怒濤の展開をどう持っていくのか期待しよう。

「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。
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