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【取材】エア ジョーダン生みの親、単独インタビュー ─ 映画『AIR/エア』主人公ソニー本人が語る秘話【前篇】

主演・製作マット・デイモン、監督・製作ベン・アフレックの“ハリウッド最強コンビ”で贈る映画『AIR/エア』が絶賛公開中だ。ナイキの伝説的バスケットシューズ「エア ジョーダン」誕生秘話がドラマチックに描かれる本作で主人公となるのは、弱小バスケットボール部門の立て直しを命じられた男、ソニー・ヴァッカロ。後に“神”となるマイケル・ジョーダンにいち早く目をつけ、史上最もハイリスクな交渉で奇跡の契約にまでこぎつける。映画では、マット・デイモンが情熱たっぷりに演じた。

THE RIVERでは、そのソニー・ヴァッカロご本人に単独ロングインタビュー。御年84歳のヴァッカロは1977年にナイキに加わり、映画『AIR/エア』で描かれるマイケル・ジョーダン契約を実現。その後はアディダス、リーボックでも重要な役割を果たした。スポーツ・マーケティング界で最も影響力のある人物のひとりとされる。

ソニー氏はTHE RIVERの単独インタビューで、自分自身の若き日を描いた映画『AIR/エア』を観た感想や、その知られざる裏話、さらには自身のキャリアの重要な瞬間や功績をたっぷり語った。ソニー氏が日本のメディア取材に答えるのは極めて貴重で、この機会が実現したのは国内ではTHE RIVERのみ。充実したインタビューの内容を、前後篇に分けてたっぷりお届けする。

後篇はこちら

映画『AIR/エア』主人公 ソニー・ヴァッカロ本人
単独インタビュー 前篇

──映画『AIR/エア』では、マット・デイモンがあなたの若き日を演じました。実際に鑑賞されてみて、どう感じましたか?

この映画は、現実に起こったこととは実際には違いがあります。映画とは創造物で、そこに登場する人たちは魔法の人々です。なぜなら、映画とは魔法だからです。

私も一観客として、自分の人生の楽しい一部分がどう描かれたかを観させていただきました。そこで感じたのは、この映画は残り続けてくれる、ということ。私もいずれこの世を去るし、他のみんなもいずれそうなる。でも、二つのことがこの世界に残り続ける。エアジョーダンというシューズと、そのシューズについての物語を語る、この映画です。

この映画は、私の人生の中で一番の感動となりました。映画(の製作)に入るまで、私はマット・デイモンになんて会ったこともなかった。今、こんなことが起こるだなんて、私にとって、全てが非現実的です。

私は長生きしていますし、特にバスケットボールに縁深い人生でした。このシューズとマイケル・ジョーダンが、この社会に、そして何よりもビジネスにおいて何をもたらしたを知るのは、重要なことです。マイケル・ジョーダンとあのシューズは、ビジネスとマーケティングを一変させました。彼はすべてのアスリートの中でも最も偉大な存在の1人であり、そのシューズは、永遠に残り続けるのです。

AIR/エア
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──史実に対して、どれくらい正確に描かれていましたか?

映画ですからね。ドキュメンタリーではありません。映画とは権利を買って、実際に起こったことを描く。ただし、それが事実と全くもって同じだというわけではありません。舞台設定もそうで、本作の90%ほどはロサンゼルスで撮影されました。他にもオレゴンやノースカロライナの場面はありましたが、それらは作られたセットなわけです。

私がどのようにナイキで仕事をしていたかについてや、マイケルをスカウトしたというのは事実です。マット・デイモンのスピーチは、私のスピーチよりも立派でしたね。ああいったスピーチは実際にも行われたものですが、映画スターのマット・デイモンがさらに良いものに見せてくれました。

ヴィオラ・デイヴィスが演じた、マイケル・ジョーダンの母親との最後の会話も本当です。脚本家たちは何も嘘を入れていません。基本的に、すべて実際に起こったことです。

AIR/エア
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ただ、舞台やが異なっていたり、リアクションがより強調されているだけ。私も喋りは得意ですが、劇中のマットのように、スピーチの主題を2分30秒にまとめて喋るのは難しい。あれは俳優による演技の賜物です。

──あなたがジョーダン家にアポなしで訪問したエピソードは事実ですか?

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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