【解説】実写版『アラジン』監督にガイ・リッチーが異例の抜擢?スタイリッシュ・アクションの名手、ディズニー映画に挑戦か
かねてから報じられていた、ディズニーの名作アニメ『アラジン』の実写化プロジェクトが進んでいる。
ハリウッド・レポーター誌によると、現在ウォルト・ディズニーは実写版『アラジン』の監督としてガイ・リッチーと交渉段階にあるという。脚本は『ビッグ・フィッシュ』や『チャーリーとチョコレート工場』を執筆したジョン・オーガストが担当するようだ。
報じられた実写版『アラジン』は、ディズニーによる名作アニメ実写化プロジェクトのひとつだ。今年は『ジャングル・ブック』が話題となったが、現在は『美女と野獣』の製作が進んでいるほか、すでに『ライオン・キング』や『ムーラン』の実写化企画も始動している。
ディズニーによる一連の実写化作品は、原作であるアニメの世界観を丁寧に再現しつつ、実写ならではのアレンジやアイデアを盛り込んだアプローチが特徴だ。たとえばケネス・ブラナー監督の『シンデレラ』では、中盤から登場する魔法のきらめきと同じくらいに、(ブラナー得意のシェイクスピア劇をも思わせる)地に足の着いた演出が印象深かった。実写版『アラジン』にはアニメの劇中歌がそのまま登場するという。
しかしそう考えてみると、実写版『アラジン』の監督にガイ・リッチーを起用しようというのは異例の判断ではないか。
ガイ・リッチーにディズニーは似合わない?
そもそも、ガイ・リッチーという人物はとても奇妙なキャリアの映画監督である。長編デビュー作『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)、第2作『スナッチ』(2000年)では、緻密な脚本とクールな映像感覚による犯罪群像劇で注目を集めた。いわば「天才若手映画作家」として華々しいデビューを飾っているのだ。
http://www.heyuguys.com/top-10-movies-to-introduce-to-your-kids-over-the-summer-holiday/lock-stock-and-two-smoking-barrels/
そんな彼を復活に導いたのは、自身初のブロックバスター(高予算)映画となった『シャーロック・ホームズ』(2009年)だ。有名小説をスピード感あふれるアクション・ミステリーに仕立て、戦うホームズ&ワトソンというキャラクター像を提案した本作は高い人気を獲得。続編『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2011年)も製作されている。最新作『コードネームU.N.C.L.E.』(2015年)は、以前の作風をアップデート&アレンジしたかのような、“ポップでスタイリッシュ”なアクション映画だった。
http://henrycavill.org/en/media-gallery/images/films/man-from-uncle/item/1094-the-man-from-u-n-c-l-e-movie-stills
- <
- 1
- 2