『エイリアン:コヴェナント』冒頭シーンの「あの人」、もっと出番が多いはずだった? ― 脚本家・監督が裏話を語る
注意

この記事には、映画『エイリアン:コヴェナント』序盤のネタバレが含まれています。

リドリー・スコット監督によるシリーズ最新作『エイリアン:コヴェナント』には“サプライズ”がいくつか仕掛けられている。そのうちのひとつ、映画が始まってすぐに観客が目撃するのが、コヴェナント号の船長であるジェイコブ・ブランソンを演じるジェームズ・フランコだ。
本作のヒロインであるジャネット・ダニエルズ(通称ダニー)の夫である彼は、米国にて封切前に公開されたプロローグ映像“The Last Supper(最後の晩餐)”にもその姿を見せている。

この場面が「最後の晩餐」と名付けられているように、本編ではこの直後、コヴェナント号を悲劇が襲うことになる。異常を起こした宇宙船の中で、ブランソン船長は睡眠カプセルに入ったまま焼死してしまうのだ。しかし映画ファンの多くは少なからず思ったことだろう、“なぜこれだけの役柄にジェームズ・フランコなのか?”と……。

それもそのはず、『エイリアン:コヴェナント』の脚本を執筆したダンテ・ハーパーやリドリー・スコット監督は、もともとブランソン船長をもっと大きな役柄として考えていたようなのだ。インタビューの数々から、その初期構想がおぼろげに見えてきた。

船長であり、夫であり

ブランソン船長の存在は、脚本の初期段階ではもっと出番が多く、またその役割も大きなものだったという。脚本家ダンテ・ハーパーは、米ハリウッド・レポーター誌のインタビューでこのように話している。

「本来、ジェームズ・フランコの役はより大きなストーリーラインに関わっていたんですよ。彼の背景もわかるし、彼が眠りながら見ている夢のシーンもあったんです。ダニエルズと、ビリー・クラダップ演じるオラムの背景も描かなきゃいけなかった。
リドリーのアイデアのひとつは、この船が外的な問題だけでなく、本来の船長がいないという問題をも抱えているというものでした。(新しい船長が)任務の指揮を執り、致命的なミスをしてしまう、という。ジェームズ・フランコの役柄はその良い前フリだったんですよ。また別のバージョンの脚本ではもっと大きい役割だったと思います。しかし彼は、いつでも不在の船長という役割だったんです。」

またリドリー・スコット監督は、ブランソン船長の“夫”としての役割を強調するプランがあったことも明かしている。しかもその場面は、実際に撮影されたあと本編からカットされたというのだ。英Yahoo! MOVIESに語ったところによると、それはブランソン船長とダニーがニューヨークの我が家で話し合うシーンだったという。

「夫婦が未来について語り合う場面でした。(劇中に登場する)“湖畔の小屋”の話はそのシーンから来るものだったんですよ。ブランソンが“この湖畔に小屋を建てるんだ”と言って、二人が向かう場所を確かめるんです。しかし、その旅は長く危険なものにある。なぜならみんなが眠ってしまって、何が起こるか誰にもわからないんですからね。そんなシーンでしたが、(映画には)必要ないと思いました。」

その理由について監督は、「彼らは科学に惹かれた夫婦で、その点こそが大切でした。彼が誰で、二人がどんな関係なのかはわかります」と話している。またブランソン船長を演じたジェームズ・フランコも、自分の出番がとても少ないことを知った上でオファーを引き受けたそうだ。監督は彼とのやり取りを回想する。

「“やりますよ”って言ってくれました。“そんなに出番はないんだ”と言うと、“関係ないですよ。やります”って。彼は素晴らしい、最高の男ですね。すごく愉快だし。」

ちなみに余談だが、監督はジェームズ・フランコとダニー・マクブライド(テネシー・ファリス役)が共演した映画『スモーキング・ハイ』(2008)の大ファンなのだという。コヴェナント号でふたりの再共演が実現したのは、もしやそういうことだったのか……?

映画『エイリアン:コヴェナント』は2017年9月15日より全国の映画館にて公開中

Sources: http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/alien-covenant-david-kills-engineers-walter-flute-scene-explained-1005974
https://uk.movies.yahoo.com/ridley-scott-spills-spoileriffic-secrets-alien-covenant-140021937.html
http://ew.com/movies/2017/05/18/alien-covenant-pineapple-express-connection/

 

About the author

稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ポップカルチャーは世界を変える

TwitterでTHE RIVERをフォローしよう!


こちらの記事もオススメ

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。