リドリー・スコット、『エイリアン』ドラマ版は「一作目には及ばないだろう」─『プロメテウス』『コヴェナント』を振り返る「消耗するもの」

SF映画の金字塔として不動の地位に立つ『エイリアン』(1979)。「FARGO/ファーゴ」(2014-)「レギオン」(2017-2019)のノア・ホーリーによるドラマ企画が進行中だが、『エイリアン』シリーズの生みの親、リドリー・スコット監督はどんな思いを抱いているのだろうか?
リドリー・スコット監督といえば、『プロメテウス』(2012)『エイリアン:コヴェナント』(2017)というプリクエルシリーズを発表していたが、いずれも興行的不振によって続編の製作は見送られることになった。The Independentのインタビューにてスコットは、『プロメテウス』では「エイリアンを登場させなかった」と説明した上で、スタジオ側からはそれが原因で興行面が思うように振るわなかったと指摘されてしまったのだという。
『エイリアン:コヴェナント』ではエイリアンを復活させたが、それでも『プロメテウス』より低い興行収入となってしまった。プリクエルシリーズ一作目の全世界興行収入は4億300万ドルで、二作目が2億4,000万ドルだ。この結果からスコットは、「素晴らしい獣を手に入れたとき、それは消耗するもので、実際には一度考えなおさなければならない」と正直な思いを打ち明けた。時代と共に観客が求める題材などには変化が訪れるということだろう。そんな複雑な思いを抱いているスコットは、ドラマ版がどこへ向かおうが、何をしようが、「一作目には及びませんよ」と微笑みながら持論を述べている。
『エイリアン』ドラマ版は、2023年の米放送に向けて進められており、リプリーの物語ではなく、「汚れ仕事をさせるために派遣する人間」と「派遣される側の人間」を通して、「不平等」を捉えていく内容になるとのことだ。リドリー・スコットが製作総指揮として交渉中とも伝えられていたが、果たして参加しているのか。引き続き本企画に注目しよう。
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Source: The Independent