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『エイリアン』ドラマ化、「ファーゴ」「レギオン」脚本家のアイデアは ─ 2019年春の提案、実現なるか

エイリアン
(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

かつて、人気SFシリーズ『エイリアン』のドラマ化企画があった。ウォルト・ディズニー・カンパニーが20世紀フォックスを買収した直後に報じられた際、キーパーソンとして名前が挙がっていたのは、コーエン兄弟の同名映画をテレビドラマ化した「ファーゴ」(2014-)のノア・ホーリー。『X-MEN』に基づくドラマシリーズ「レギオン」(2017-)を手がけた才人でもある。

2019年3月ごろ、ホーリーは「ファーゴ」「レギオン」を製作・放送した米FX局に『エイリアン』をドラマ化する構想を提案したとされる。脚色・翻案の手練れであるホーリーは、『エイリアン』にどう挑もうとしていたのか……。米Observerでは、ドラマ版では「極限状況の人間を描く」つもりだったと語られている。もっとも、それは人間対エイリアンというシンプルな構図にはとどまらないようだ。

「『エイリアン2』には、シガニー・ウィーバー(リプリー役)が“悪いのはどの種なのか分からない。少なくとも、彼らは利益のためにお互いを騙したりしない”という場面があります。『エイリアン』の傾向を考えて観ると、だいたい閉じ込められる物語なんですよね。船だったり、刑務所だったり。それから、エイリアンには生まれてから死ぬまでのサイクルがあって、卵から生まれて、チェストバスター、ゼノモーフになる。決まったルーチンがあるわけです。」

ホーリーは具体的なアイデアまでは語っていないものの、コメントからは、人間同士の対立劇、密室、エイリアンの生態というキーワードが見えてくる。ホーリーは「(シリーズを)さらに拡大できたら面白くなるだろうと思ったんです」と当時の企みを明かした。

「テレビで何か作るとしたら、10時間はもらえますから。アクションをたっぷりと、たとえば2時間かけたとしても、まだ8時間残る。じゃあ、そこで何を描くのか、そういう話をしようとしていました。『レギオン』の時には、作品からスーパーヒーローの要素を抜き取っても、まだ面白い作品になるかどうかを考えていたんです。それと同じで、(『エイリアン』から)エイリアンを抜いたらどうなるんだろうと。それはどんな作品になるのか、どんなテーマなのか、登場人物はどうなるのか、人間ドラマになるのか。それから、そこにエイリアンを戻すと、優れた人間ドラマでありつつ、エイリアンが出てくるという作品になると思うんです。」

報道当時、FX側はディズニーによる買収の影響もあり、ホーリーの提案を退けたともいわれる。しかし現在、リドリー・スコットが『エイリアン』新作映画を企画しているとも伝えられており、企画の現状は未知数だ。映画がドラマ化されるケースが少なくない今、もし『エイリアン』がドラマシリーズになるとして、ファンが求めるドラマ版とはいかなるものか……。

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発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

Source: Observer, Deadline

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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