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『アメイジング・スパイダーマン2』衝撃のラストに込められた真意 ― 監督&出演者が語る

注意
この記事には、映画『アメイジング・スパイダーマン2』の重大なネタバレが含まれています。

アメイジング・スパイダーマン2
c 2014 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: c & ? 2017 MARVEL.

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なぜ『アメスパ2』は悲しい結末だったのか

映画『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)は衝撃の幕切れを迎える。

物語のクライマックス、時計塔にてピーター・パーカー/スパイダーマンとハリー・オズボーン/グリーン・ゴブリンが激突。最後にはピーターの恋人であるグウェン・ステイシーが時計の歯車から落ちてしまい、ピーターの発射した糸もすんでのところで届かず、グウェンは地面に叩きつけられて命を落としてしまうのだ。

「グウェン・ステイシーの死」は、1973年に刊行されたコミック『ジ・アメイジング・スパイダーマン』121-122号に描かれた有名なエピソードだ。『アメイジング・スパイダーマン2』のクライマックスでグウェンが着ている服装は、コミックのグウェンの格好にも非常によく似ているのである。

それでもコミックファンの中には、映画版では悲しい結末を回避するのではないかと考えていた人もいるだろう。また多くの観客も、きっと「なんだかんだで助かるんでしょ」と思っていたのではないだろうか。

SCREEN CRUSHによると、本作を手がけたマーク・ウェブ監督はグウェンの死を「最初から考えていた」といい、「映画全体をこの出来事から組み立てていた」という。それほどまでに、この結末は本作にとってなくてはならないものだったのだ。

グウェンを演じたエマ・ストーンとウェブ監督は、公開当時のインタビューでラストに込められた真意を語っている。

アメイジング・スパイダーマン2
c 2014 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: c & ? 2017 MARVEL.

エマ・ストーンの思い、監督の意図

グウェン役のエマ・ストーンは、多くのファンと同じく、ピーターとグウェンの関係が「ずっと続けばいいのにと思っていました」と打ち明ける。しかし米TIME誌のインタビューで、彼女はグウェンの死は「起こるべきこと」だとも話しているのだ。「その後のピーターの人間関係に大きな影響を与えるからです」と……。

「脚本を読んだ時、二人のたどる道はすごく美しいと思いました。私はグウェンとピーターが苦しまずにすむようにと願い、もっと一緒の時間があればいい、二人の関係を深めていけたらと祈っていたんです。でもそれは自分勝手だったのかもしれません。(二人の結末は)本当に美しいものだと思いました。あらゆる面でふさわしいと感じたんです。」

その一方でウェブ監督は、グウェンが時計塔から落ちるシーンの製作には非常に心を砕いたという。絵コンテから撮影の前夜まで、何度も“どうすればいいのか”と作業をやり直したという。そうした格闘の中で監督が見出したのは、映画のテーマそのものを視覚化することだった。同じく米SCREEN CRUSHに監督は語っている。

「僕にとって、この映画のテーマは常に“時間”でした。愛する人との時間は大切にしなければならないし、そして何があろうと時間は前へと進んでいくんです。

そこで、はじめに出来事の舞台を時計塔にしようと思いました。それからグリーン・ゴブリンとスパイダーマンの膠着状態を考えついたんです。ゴブリンは片手でスパイダーマンの首を絞めていて、もう片方の手はクモの糸で歯車に固定されている。そして(グウェンにつながった)糸は歯車に挟まれて、今にも切れてしまいそう。それを知ったピーターが、手で歯車を止めて糸が切れるのを防ごうとする……まさしく時間を止めようとするんです。思いついたときには“これだ!”と思いましたね。」

監督はこのアイデアから逆算して、クライマックスのあらゆる要素を構築していったという。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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