『アメイジング・スパイダーマン2』実現しなかった続編の内容とは?監督が当時の構想を明かす

映画『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)には続編が製作されるはずだった……と聞いて驚く人はあまりいないだろう。なぜなら本作は“いかにも続きそう”な終わり方をするからだ。
しかし残念ながら、続編『アメイジング・スパイダーマン3(仮題)』が製作されることはなかった。前作までを手がけたマーク・ウェブ監督が続投することすら発表されていながら、続編の計画、そして製作される予定だった複数のスピンオフ作品は「なかったことになった」のである。
なぜ『アメイジング・スパイダーマン3』は作られなかったのか、そしてマーク・ウェブ監督はどんな続編を構想していたのか。2017年8月、監督はインタビューでその一端を明かしている。
作られなかった「3作目」
結論からいって、『アメイジング・スパイダーマン3』が製作されなかった理由はわからない。
製作・配給を担当したソニー・ピクチャーズが期待したほどの興行収入を『アメイジング・スパイダーマン2』があげられなかったこと、また(熱心なファンを数多く生み出しながらも)批評家からの評価が芳しくなかったことが大きな原因だという説が有力だが、それがシリーズ打ち切りの理由になったという決定的な根拠はないのだ。
2015年2月、ソニーとマーベル・スタジオは業務提携を結んだことを発表し、スパイダーマンはマーベル・シネマティック・ユニバースに合流することが明かされた。トム・ホランドを主演に迎えての再リブート、その第1作が2017年8月11日に公開された『スパイダーマン:ホームカミング』である。マーベル・スタジオとの業務提携が結ばれたことが『アメイジング・スパイダーマン』打ち切りの理由だったともいわれているが、やはり真相は不明である……。

もしも3作目が作られていたら
それでも『アメイジング・スパイダーマン3』は、製作中止の決定まで水面下で準備が進められてきた作品だ。監督を務めるはずだったマーク・ウェブ監督は、英Den Of Geekのインタビューで当時の構想を語っている。いわく、3作目のストーリーで鍵を握っていたのは、スパイダーマンを倒すことを目的とするヴィラン・チーム“シニスター・シックス”だったようだ。
「シニスター・シックスについての話し合いをしていました。『アメイジング・スパイダーマン』の3作目をやる前に、シニスター・シックスの映画を作る予定だったんですよ。(3作目では)クリス・クーパー(ノーマン・オズボーン役)に再び出演してもらい、グリーン・ゴブリンを演じてほしいと思っていました。彼の頭部を冷凍しておいて、あとから蘇らせるつもりだったんです。ジェントルマンと呼ばれる人物も出すはずでした。」
つまり監督は、『アメイジング・スパイダーマン2』では謎の奇病により死亡したノーマン・オズボーンを3作目のメイン・ヴィランとして登場させる構想だったのである。なんでも「シニスター・シックスを率いる役」として活躍するはずだったとか……。
2016年、クリス・クーパーはCBR.comの取材に対して、3作目に出演する計画があったこと、また“冷凍された頭部”のシーンをすでに撮影していたことを明かしている。
「『アメイジング・スパイダーマン』シリーズが続いていれば、3作目では大きな役が保証されていたんだよ。あの役柄が広がるはずだったんだ。
(頭部のシーンを)撮ったよ。すごく変な感じだったね……でも『2』には使われてなかった。もし実現していたら、きっと3作目のオープニング・シーンのひとつになっていたと思うよ。」
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