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米アマゾン『ロード・オブ・ザ・リング』のテレビドラマ化を検討中 ― 異例、本社CEOが契約交渉へ

ロード・オブ・ザ・リング
Photo by bandita https://www.flickr.com/photos/cosmic_bandita/2218419160/ Remixed by THE RIVER

米アマゾン・スタジオ社が、小説『指輪物語』のテレビドラマ化を検討しているようだ。米バラエティ誌によると、同社はワーナー・ブラザース・テレビジョンおよびJ・R・R・トールキン作品の版権管理を担当するトールキン財団との契約交渉を始めているという。

J・R・R・トールキンによるファンタジー小説の金字塔『指輪物語』は、1954~1955年にかけて発表された「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」からなる一大長編作品だ。2001~2003年にはピーター・ジャクソン監督によって『ロード・オブ・ザ・リング』3部作として映画化されており、3作品はいずれも興行・批評の両面で大きな成果を収めている。

このたび報じられた企画は映画版のドラマ化ではなく、あくまで原作小説『指輪物語』のドラマ化を趣旨とするものだ。アマゾン・スタジオ、ワーナー・ブラザース・テレビジョン、トールキン財団による交渉は初期段階で、なんらかの契約がすでに結ばれているわけではないという。複数の企業が権利を争っている状況で、現時点での最有力候補がアマゾン・スタジオだという状況だ。

なおバラエティ誌は、『指輪物語』のドラマ化にあたっては米Amazon.com社のCEO(最高経営責任者)であるジェフ・ベゾス氏が直接交渉にあたっていると報じている。ジェフ氏はSF・ファンタジーの大ファンで知られているが、こうした契約交渉に本人が登場するのは稀であるとのことだ。
ただしこの動きには、アマゾン・スタジオの幹部3名が2017年10月に相次いで辞任したことも大きな影響を与えているとみられる。なかでもコンテンツ製作のトップを担っていたロイ・プライス氏は、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の性的暴行問題が報じられたのち、すぐに社内でのセクハラが告発されたことが辞任のきっかけとなっていた。

現在、アマゾン・スタジオは「優れた小品を製作する」方針から「世界のユーザーへアピールできる大作を生み出す」方針へとコンテンツの軸足を移しつつあるという。『指輪物語』は、その中心を担うものとして絶対に逃せない企画なのだろう。

Source: http://variety.com/2017/tv/news/lord-of-the-rings-amazon-1202606519/
Eyecatch Image: Photo by bandita ( https://www.flickr.com/photos/cosmic_bandita/2218419160/ ) / Remixed by THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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