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『TENET テネット』予定通りの公開なるか ─ 米最大の映画館チェーン、7月営業再開の方針で希望託す

AMC Theatre
Photo: Andreas Praefcke https://en.wikipedia.org/wiki/File:AMC_Empire_25_NYC.jpg

米国最大の映画館チェーン「AMC」が、2020年7月にも世界的に営業を再開する方針であることがわかった。米Deadlineなどが報じている。

全米635館をはじめ世界各国で映画館を経営するAMCは、新型コロナウイルスの影響を受け、3月中旬から世界的に営業を見合わせていた。しかし収入が絶たれた一方で支出が継続するため、経営への甚大な影響が生じており、倒産の可能性も報じられている。発表によると、四半期の純損失は21億8,000万ドル(約234億円)にのぼるという。

各国での営業再開にあたり、成功のカギを握るのは、クリストファー・ノーラン監督による最新作『TENET テネット』と、ディズニーによる実写版『ムーラン』だ。前者は7月17日、後者は翌24日に米国公開予定だが、アダム・アーロンCEOいわく、6月8日(米国時間)時点でワーナー・ブラザースとディズニーは公開計画を変更していないそう。しかし、コロナ禍の被害が特に大きいニューヨークにて映画館を再オープンできるかどうかは、両社の判断基準にも影響を及ぼしそうだ。

現在、アーロン氏は「7月上旬にもニューヨーク州では(施設や店舗の営業が)広く再開されるはずだと見ている」と話している。状況は流動的だが、そうなれば『TENET』などの公開予定も変更されないだろうという予測だ。ただし、アーロン氏は「『TENET』の公開予定日である7月17日までに、ニューヨーク市が開かれるかどうかの予想は立てたくない。そうあってほしいと願っていますが」と述べ、これがあくまでも希望的観測であることも認めている。「実際のところ、市長にも答えは出ていないと思います」。

すでにAMCはノルウェーやドイツ、スペインなどで映画館の営業を再開済みで、各国のガイドラインにのっとり、来場者や従業員の安全を確保して営業が行われているという。各館では、まず過去作品の上映を開始し、その後ハリウッドの大作映画を受け入れていく予定だ。なお4月末、AMCは、映画館の再開後にも映画の配信展開を示唆した米ユニバーサル・ピクチャーズと激しく対立。現在、両社は「穏やか」な関係性に戻り、活発な協議が行われているという。一方、今後の公開ラインナップにユニバーサル作品は含まれていないとのこと。アーロン氏は「この問題について個人的な思いはありません。経済にまつわる問題でしかない」とコメントしている。

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Source: Deadline(1, 2, 3), The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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