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「キャシアン・アンドー」シーズン2、あの人気キャラクターが戻らなかった理由 ─ 「無理矢理なこじつけはやりたくなかった」

キャシアン・アンドー
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

スター・ウォーズドラマ「キャシアン・アンドー」シーズン2が最終回を迎えた。シーズン1の人気キャラクターであるキノ・ロイや、キャシアンの妹が最後まで登場しなかった理由について、クリエイターのトニー・ギルロイが米The Hollywood Reporterに説明している。

シーズン1でアンディ・サーキスが演じたキノ・ロイは、ナーキーナ5の帝国刑務所でユニット5-2-Dのシフト・マネージャーを任されていた囚人だ。当初は刑期を終えて出所すべく、規律正しい囚人生活を送っていたが、最終的にはキャシアンと共に大規模な脱獄劇を主導することになる。

シーズン2でキノ・ロイの再登場を検討したか尋ねられたギルロイは、「アンディ(・サーキス)は“マイクを落とした”んです。あれ以上に良いものは考えられません。あの瞬間を台無しにするだけです」と述べ、キノの物語が完璧な形で終わったことを強調。「多くの人々が彼を復帰させる方法にういて話し合っていたのは知っています。でも、無理矢理こじつけたような展開を描きたくありませんでした」。

キャシアン・アンドー
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

ギルロイが述べた「あの瞬間」とは、シーズン1第10話「道はひとつ」の名場面のことだろう。囚人たちは「道はひとつ(One way out)」を合言葉に、武器を取って刑務所から集団脱走を図る。広大な湖に次々と飛び込んでいく囚人たちを前に、立ちすくむキノ。キャシアンが声をかけると、キノは「泳げないんだ」と告白する。そして次々と逃げ出していく囚人たちを、ただ見送るのだった。

泳げず脱出できないキノのシーンはあまりにも印象的であり、それを超える描写をするのは難しいとギルロイは判断したようだ。その後の彼の生死は明かされていないが、もし再登場させれば、あの瞬間の感動が薄れてしまう可能性もあるだろう。

一方、キャシアンの妹は物語の発端となる存在だ。シーズン1の冒頭では、キャシアンが離れ離れになった妹を探している最中に帝国保安局員2人を殺害してしまい、そこから物語が大きく動き出していく。

ギルロイは、キャシアンの妹もキノ・ロイと「同じ」だと表現。シーズン2で登場させなかった理由は、ストーリーの展開やキャラクターの深みを保つために必要だったからだという。

「みんなが、妹の件は解決するのか気になっていました。でも、冒頭で妹がいないからこそ、ずっと興味深いものになる。彼女の不在が価値なのです。最後に彼は、“人を助けるのをやめるべきかもしれない”と話します。戻って人を救いたい、救世主になりたい、という彼の衝動は、これまでの人生の“空白”から来ているもの。僕は、その空白を埋めたくなかったんです。」

「キャシアン・アンドー」はディズニープラスで独占配信中。

▼ の記事

    Source:The Hollywood Reporter

    Writer

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    KyokoKyoko Okajima

    アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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