ヒース・レジャー、『ダークナイト』ジョーカー役に手応えを感じていたことを逝去直前にアンドリュー・ガーフィールドに語っていた

『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで知られるアンドリュー・ガーフィールドは、キャリアの初期に『ダークナイト』(2008)の故ヒース・レジャーと共演した過去をもつ。まだ俳優としての仕事のしかたが定まっていなかったアンドリューに、ヒースは大きな影響を与えたようだ。
ふたりが共演したのは、テリー・ギリアム監督『Dr.パルナサスの鏡』(2009)。ヒースは『ダークナイト』でジョーカー役を演じた直後に本作の撮影に入り、すべてのシーンを撮りきらないままこの世を去った(代役はジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が務めている)。アンドリューは、本作で若き団員アントン役を演じた。
ポッドキャスト番組「Happy Sad Confused」で、アンドリューは当時の思い出を振り返っている。「彼はジョーカー役を演じたばかりで、『ダークナイト』を撮り終えたばかりでした。彼はとてもキザな人で(笑)、僕が“どうでした?”と聞いたら、“うん、すごくいいよ”って」。

共演当時、まだ俳優としての経験が浅かったアンドリューにとって、ヒースは俳優としての指標のひとつになったという。
「とても自由で、大胆で、ある意味では危険な人でした。刺激的、積極的でしたね。どんなシーン、どんなテイクでも、彼は始まる前に、“この一回を楽しもう”と言うんです。すると、僕もきちんと演じようとするのではなく、“よし、楽しもう”という気持ちになれた。僕は役者として成長過程にあり、うまくやること、いい演技をすることにこだわっていたし、自分がどう見えるか、ダメな芝居をしていないかが気になっていたんです。クリエイティブな仕事への取り組み方が狭く、創造性に欠けていましたね。オープンでいなければクリエイティブにはなれないし、楽しくも愉快でもないのに。」
ほかにもアンドリューは、ヒースのエピソードをいくつも語っている。ともに過ごした時間こそ短かったが、「今でも彼との思い出はたくさんある」というのだ。
「彼が雑誌の表紙を飾っていたんですが、彼が“最低の写真を使われてる”と言うんです。僕が“なに言ってるんですか、カッコいいですよ”と言ったら、“ポーズがぜんぜんだめだ、ありきたりな俳優みたいだろ”と。言われてみると納得しましたね。[中略]あと初めて会った日、彼はレイバンの迷彩柄のサングラスをしていたので、“カッコいいですね”と言ったら、次の日に僕の楽屋に置いていってくれたんです。」
アンドリューは、ヒースを「寛大で美しく、創造的な精神の持ち主だった」と話す。没後15年を迎えてなお、生前のエピソードがさまざまに語られ続ける若きレジェンドの存在感は、いまも決して衰えていない。
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Source: Happy Sad Confused