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映画『赤毛のアン』が他の映像化作品とは一線を画す3つの理由

L.M.モンゴメリによる不朽の名作『赤毛のアン』は、世代を超えて愛され、実写、アニメ問わず、世界中で数多く映像化されてきた。
そのどれとも一線を画す実写映画『赤毛のアン』が、2017年5月6日より公開となる。

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=vOgATOKqveg&w=560&h=315]

孤児のアンはプリンス・エドワード島に住む年配のマシュウとマリラ兄妹に引き取られるが、彼らは仕事の手伝いとして女の子ではなく男の子を引き取りたかった。
手違いであることから引き取り手を探そうとするマリラだが、アンの豊かな想像力やその輝く瞳、そして愛らしい性格から、次第に家族の一人として大切な存在になっていく・・・。

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物語や時代背景などの大きな変更はなく、むしろ原作通りといった形ではあるが、これまで観てきたどの実写化作品とも違い、尚且つ、「これこそ、我々が求めていた『赤毛のアン』だ!」と唸らせるような出来栄えなのが、本作なのである。
ここでは、そこまで感嘆させる理由を紹介しよう。

原作者の孫娘が製作総指揮

『赤毛のアン』はカナダのプリンス・エドワード島で生まれたL.M.モンゴメリにより1908年に出版された今日まで読み続けられている名作であるが、今回の実写化にあたり、自身も作家として活動し、赤毛のアン・ライセンス局の理事会メンバーでもある、ケイト・マクドナルド・バトラーというという人物が本作の製作総指揮を務めた。
実はこの女性は、何を隠そう、原作者モンゴメリの孫娘であるのだ。
原作の物語の素晴らしさを最も身近で感じているであろう身内の人間が映像化することで、作品の持つ世界観を十二分に理解した映像が広がる。
まさに『赤毛のアン』映像化作品の決定版と言える要因がここにあるのだ。

プリンス・エドワード島の美しい景観

『赤毛のアン』が舞台としているのは著者モンゴメリ自身の出身地でもカナダのプリンス・エドワード島だ。
美しい自然が広がる緑豊かなその地は、夏場になると観光客で賑わいを見せるそうだが、その”世界で最も美しい”と言われるプリンス・エドワード島の魅力が存分に詰まった作品でもあるのが、今回の『赤毛のアン』。
まさにその地に足を運んだかのようにスクリーン全体に美しい景観が広がり、そこにアンの赤毛も相まって、壮麗なコントラストを終始魅せつけてくる。
鑑賞中に思わず「世界はこんなにも美しい!」と声を上げたくなるほどで、映画館を出た後は世界を新鮮に感じる事ができ、胸いっぱいに空気を吸いたくなるほどだ。
この心惹かれる映像もまた本実写化の魅力の一つであろう。

原作から飛び出してきたかのようなアン役 エラ・バレンタイン

本作において最大の魅力と言うのは、他でもない、アン役の女優にある。
主演に抜擢されたのはカナダ出身の新進女優 エラ・バレンタイン
母国で舞台『レ・ミゼラブル』のコゼット役などを演じ頭角を現した彼女は、TVドラマ『クイーン・メアリー』や映画『ザ・モンスター』などでヤング・アーティスト賞に3度のノミネート歴を誇るなどアメリカでも活躍目覚ましい女優である。
その彼女がまた、原作のイメージ通りのアン像を体現して魅せてくれるのだ。
アンの瞳を通して見る世界は夢と愛に溢れており、純粋無垢なキャラクターであるアンがスクリーン狭しと駆け回り、彼女が持ち前の想像力や愛らしさで周りの人々を惹きつけていく姿を観ると、なぜか自然に笑顔になってしまう。
まさにアンとしてエラはそこに生きていて、ついつい保護者目線で観てしまう。
衣装に身を包んだ姿は、原作の世界から飛び出してきた”本物”のアンで、これが他の実写化作とは一線を画す最大の理由である。
エラ以外のキャストたちも豪華な様相で、アンの保護者となるマシュウとマリラを演じるのは、名優マーティン・シーンとサラ・ボッツフォードで、彼らの支えがあるからこそ作品全体に説得力が生まれたのであろう。

小さいお子さんがいるファミリーにぜひ劇場に足を運んでもらいたい。特に『赤毛のアン』に触れたことのない方々には、真っ先におススメしたい。
老若男女問わず、誰しもがきっと素敵な笑顔になれて、世界の見方が変わるに違いない。

Writer

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Sunset Boulevard

映画・海外ドラマライター。映画ファンの方々が知りたいNEWS、評論、コラムなどを中心に他とは違った視点から注目した記事を寄稿していきたいと思っております。

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