『スター・ウォーズ』C-3PO役アンソニー・ダニエルズ独占取材 ─ 「それがいつかわかるまで、生き続けてください」

1977年米公開の第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で金色に輝くプロトコル・ドロイドのC-3PO役を演じて以来、現時点まで全ての『スター・ウォーズ』映画に出演する唯一の俳優、アンソニー・ダニエルズ。ファンにとってレジェンドと称えられる一方、繊細な性格の持ち主であるダニエルズは、窮屈なスーツとマスクの中でさまざまな思いを抱えた。自伝『私はC-3PO』(世界文化社)では、『スター・ウォーズ』マニアでも知らない極めて貴重な撮影裏話や、その時々に感じていた喜びや悲しみ、苛立ちまでもが驚くほど赤裸々に綴られている。
筆者はこの書籍が刊行された2020年春、ダニエルズにSkypeを通じた独占インタビュー取材を行っていた。あれから5年、「コロナが落ち着いたら、また是非日本で」と話していたダニエルズは「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」のため来日し、世界中のファンと日本の地で交流した。
その最終日となる4月20日。なんとダニエルズは、3日間にわたるファン交流や2度のステージ登壇を経たイベント終了後、THE RIVERによる独占取材に応じた。日本のファンとの交流についてや、C-3PO役と『スター・ウォーズ』の今後への思い、悩みを抱える現代人へのメッセージも語っていただいた。世界独占となる貴重なインタビューである。
『スター・ウォーズ』C-3PO役アンソニー・ダニエルズ 世界独占インタビュー(2025年)
──セレブレーション期間中はお忙しかったと思いますが、こうして特別な時間をいただきありがとうございます。実は2020年にSkypeでもインタビューをさせていただきました。当時は新型コロナウイルスの感染拡大直後。あなたはカメラを動かして、お部屋の中を見せてくださいましたね。ジムが閉鎖されているから、この部屋の隅をホームジムにしたんだよ、って。
そうそう、覚えていますよ。
──ついにこうして直接お会いできたことに感激しています。今回の「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」はいかがですか?
おそらく過去最大規模のセレブレーションになったと思います。世界中からファンが集まっていますね。オーストラリアや、アメリカやヨーロッパから来られた方が多く、ロシアから来られた方もいました。でも多くは日本人の方。日本のファンはとても情熱的で、本当にスター・ウォーズがお好きなんですね。C-3POのことが大好きだという日本のファンにもお会いできました。ロボットがお好きなのですね。非常に多くのファンの方とお話ししましたので、今はヘトヘトです。でも、とても素敵で、とても礼儀正しいファンばかりです。C-3POも日本に来られて大喜びです。
──自伝本『私へC-3PO』への反響はいかがですか?
大好評です。日本語に翻訳いただいて、とても嬉しいです。この英語で書かれた本は、スペイン語や韓国語、フランス語にも訳されました。とても嬉しいです。誰でも自分の言語でお読みいただけます。そして皆さん、本に書かれていることに驚かれていらっしゃいます。細部についてとても満足していますし、読んだみなさんはこの本に夢中になられています。本に掲載されている写真も喜ばれていますし、C-3POの”内側”から語る物語に美しさや興味深さを感じていただいているようです。
──前回のインタビューで、少しだけ日本語を知っているとおっしゃっていましたね。「美味しいです」「素晴らしいです」、それと「ちょっと待って」。
「ちょっと待って」は何かと便利ですね。あとは「お酒ください」。日本語は難しい。
──他に何か覚えたい日本語はありますか?
ないです。歳を取ったもので。それに、日本ではたくさんの方が英語を話します。そして日本人はシャイですが、とても心優しい。英語を話す日本人は尊敬してしまいます。英語は難しいですからね。
──今回のセレブレーションでは、新作映画『マンダロリアン・アンド・グローグー』の情報解禁がありました。本作は、あなたが出演しない初の『スター・ウォーズ』映画になるのでしょうか?
はい。観る価値ありませんよ。だって私が出ていないんですから。だから観ないでください!
──(笑)しかしあなたにとって、いちファンとして鑑賞する初めての『スター・ウォーズ』映画になるわけですね。
そうです。面白いですね。もし出演していたら、編集された部分が気になる。例えば、撮影現場では何も存在していなかったのに、本編ではモンスターが登場している。だから、本編を観て初めてモンスターを見るんですよ。クレイジーです。そうですね、私もチケットをもらえるんでしょうか?
──もちろん貰えるはずですよ!(笑)それと、『スカイウォーカーの夜明け』の続編映画も製作されると聞いています。なんでも、映画から15年後が舞台になるそうです。
その頃の私は錆びてしまっているでしょうね。もしかしたら、お会いできるかもしれません。レイと一緒にね。早く製作されて欲しいものです。
──C-3PO役としてのみならず、プロの役者として、『スター・ウォーズ』の過去作を観直して、若い頃の自分の演技を振り返ることはありますか?「今だったらこう演じられる、もっとこうすべきだった」と感じることは?
私たちはみんなそうしますが、意味のないことです。私にとって無意味です。確かに、「もっとうまくやれた」と感じることはあるし、役者は皆そうでしょう。至って普通です。今回の「セレブレーション」のサイン会で、10年か、20年前の私の写真をお持ちになった方がいらっしゃって、それを見て笑っちゃいました。私も歳を取ったなぁと。でも、それでいいんです。
──今回の「セレブレーション」では2つのステージにご登場されましたね。どちらも素晴らしかったですが、今日はK-2SO役のアラン・テュディック、ジャー・ジャー・ビンクス役のアーメッド・ベストと一緒に登壇されました。トークの中で面白かったのが、『ローグ・ワン』撮影セットにてK-2SO役のアランに「僕はモーション・キャプチャーで演じます」と言われて、「You Shit!(クソッタレ!)」と言ったというお話です(笑)。
はい。嫉妬したんです。モーション・キャプチャーも立派な演技ですが、身体的にはラクですから。
──もしもあなたに新しい役があって、モーション・キャプチャーか実際のスーツかを選べるとしたら……?
毎回モーション・キャプチャーにします。
──では、もし今後の映画でC-3POを再演する機会があっても……。
モーション・キャプチャーでやりたいです。
──そうですか!伝統的な3POを見たいとも思いますが……。
でも、見ている人に違いはわかりませんよ。すでに一度、モーション・キャプチャーで3POを演じているのですが、わからなかったでしょう。モーション・キャプチャーの方がずっと良かった。自由でした。
──もしも今後、誰かがC-3PO役を引き継ぐとしたら……、モーション・キャプチャーになるのかどうかは分かりませんが、どう演じて欲しいでしょうか?
3POは重要なキャラクターで、彼自身に忠実でなくてはいけません。彼が別の方向に扱われやしないかと心配しています。3POは本当に豊かです。重要なのは、3POの周囲に何があるかです。彼について研究すべきことはたくさんあります。いつか私が3PO役を演じられなくなる日が来るでしょう……。でも、構わないのです。
──ドラマ「スター・ウォーズ:アソーカ」第7話のカメオ登場の際はどうだったのですか?あれは実際のスーツ?
そうです。あれはスーツを着ていました。でも面白かったのは、私は実際に演じましたが、セットは現実ではなかったことです。あれはVolume(※ステージを巨大LEDパネルで全方位から囲むことで、役者たちがまるで本物の背景の中にいるように感じられるバーチャル・プロダクション・テクノロジー)でした。だから、実際には何も存在しない。全てはスクリーンの中の映像で、突然、世界が消えるんです。グリーンスクリーンでもなく、LEDのスクリーンです。
──C-3POというレガシーが、今もこれだけたくさんの人の中で生き続けていることに、どのように感じていらっしゃいますか?
とても、とても誇らしいです。驚いてもいます。そして、今もなお広がり続けている。世界中でファンが増え続け、お友達も増え続けています。
──ジョージ・ルーカスとは最近会われていますか?
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