『アントマン』ヒロイン女優、出演オファーを冗談だと思っていた ― 「マーベルはネタ切れなんだ…」

映画『アントマン』シリーズは、マーベル・シネマティック・ユニバースにおいてとりわけ異色の作品である。アリよりも小さくなるヒーロー、そのサイズに比例してかスケールの小さい(しかしそれこそが魅力の)物語、全編に散りばめられたユーモア。主人公スコット・ラング/アントマン役のポール・ラッドと、続編『アントマン&ワスプ』(2018)ではタイトルロールとなったホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ役のエヴァンジェリン・リリーの相性は抜群だ。
ヒーロー映画であり、同時にファミリー向けのコメディ映画としても成立した本シリーズは、いまや世界で高い人気を誇る作品群となった。しかし第1作『アントマン』(2015)当時、エヴァンジェリンは出演オファーを最初は冗談だと思い込んでいたという。

エドガー・ライト前監督が繋いだ『アントマン』の縁
2018年8月、米国ボストンにて開催された「Fan Expo Boston」に登場したエヴァンジェリンは、自身と『アントマン』の出会いを振り返っている。
「ちょうど『ホビット 竜に奪われた王国』(2013)のプロモーションが終わったところにマネージャーから電話があって、“マーベルから電話がありました”って。“会いたいと思ってもらえないか、『アントマン』という新しいシリーズに興味がないかを知りたくて”という。笑っちゃいましたね。」
当時、エヴァンジェリンはアントマンというヒーローの存在をまったく知らなかったため、「マーベルはネタ切れなんだ、ヒーローをでっち上げようとしてる」と思ったという。オファーを受けた際の印象について「完全にジョークだと思いました」と振り返っているのだ。
「そしたらマネージャーが“いやいや、違いますよ。オリジナルのアベンジャーズの一員です、本当のオファーですよ”と。でも私は“(『ホビット』で)スーパー・エルフを演じたところだし、スーパーヒーローはやらなくてもいい”と言いました。でも“待って、聞いてください。アントマン役はポール・ラッド、監督はエドガー・ライトです”と言われて。“えっ、誰が作るって? すごい、ヒーロー役がポール・ラッドで、エドガー・ライトが監督するの? それやりたい!”って言っちゃいましたね。」

その後、エヴァンジェリンはマーベルとの面会に向けて、6本のMCU作品を週末にまとめて観るという宿題をこなしたという。その甲斐あって、彼女は無事にヒロインのホープ・ヴァン・ダイン役を射止めたのだ。
ところがポール&エヴァンジェリンを起用したエドガー・ライト監督は、のちに“創作上の相違”で『アントマン』を降板。ポールとエヴァンジェリンの初対面は、監督の降板後、ニューヨークのレストランでランチをともにしたことだったという。映画がどうなるのかわからないまま、キャラクターやストーリーなどについて話し合ったそうだ。
なおエドガー監督の降板を受けて、『アントマン』の監督には『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)などのペイトン・リードが就任。ポール、エヴァンジェリン、ペイトンの組み合わせが鉄板であることは今や言うまでもないが、おそらくエドガー監督の存在なくしてこの顔合わせは実現しなかっただろう。エヴァンジェリン演じるワスプが大スクリーンで活躍するさまを観ることができるのは、残念ながらプロジェクトを去ったエドガー監督のおかげなのである……。
映画『アントマン』MovieNEXは発売中。続編『アントマン&ワスプ』は2018年8月31日(金)より全国の映画館にて公開中だ。
『アントマン&ワスプ』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/antman-wasp.html
Sources: Comicbook.com, BadTaste.it