【ネタバレ】『猿の惑星/キングダム』エンディング解説 ─ 1968年版につながる?監督が考えるシリーズの今後

この記事には、『猿の惑星/キングダム』のネタバレが含まれています。
プロキシマスによって支配されたキングダムは崩壊し、事態は収拾したものの、新たな壮大な物語の幕開けを告げるようなエンディングとなった。それまで忌み嫌っていた人間の姿を知ったイーグル族の猿たち。そして、メイの活躍により、惑星奪還に大きな前進を見せた人間たち。物語を通して両者の間に起きた変化は、今後どう影響していくのだろうか。
監督を務めたウェス・ボールは、『メイズ・ランナー』3部作を手がけたフィルムメイカー。20世紀スタジオ(旧20世紀フォックス)とは同シリーズからの再タッグとなった。ボール監督が米The Hollywood Reporterに語ったところによれば、現時点で今後の計画は存在してないという。一方、「大まかな」アイデアは監督の頭の中に浮かんでいるようだ。

エンディングでは隔離していた人間たちが登場したが、ボール監督は「クリフハンガーと呼べるかもしれない」と語っている。そのため、監督は同シーンで印象を残そうと、メイからハードドライブを受け取った女性役に、人気ドラマ「セヴェランス」(2022-)や『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)への出演で知られるディーチェン・ラックマンを起用したのだという。
「あの役は彼女に頼みました。たった3ショットですが、観客が今後もっと見たくなるようなキャラクターを設定したかったんです。クリフハンガーと呼べるかもしれないですが、映画のラストは、不思議な方法で次の映画への扉を開くようなものなんです。」
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今後の物語において鍵を握るのは、間違いなくノアとメイだろう。戦いの中で絆を芽生えさせながらも、種族の違いから心を開き切ることはなかった両者。ボール監督はあえて、「グレーな」状況での着地を望んだのだという。
「メイにとってのゴールと探求は、ノアの行き先と同じ場所に行くことで、彼女の旅は、この猿たちを信頼できるかどうかを見極めることなんだと思います。最終的に、彼女は猿たちが自分が思っていたような存在ではないことに気づくのです。ノアとの出会いによって彼女の旅が変わったように、彼の旅もメイとの出会いによって変わっていく。だから僕たちは最終的に、“猿と人間は共存できるのか?”という映画の中心的な問題である、粘着性のあるグレーゾーンに着地させたかったんです。
それは今後の映画を通して続くテーマであり、種族間の平和の可能性があるとすれば、何が起ころうとも、恐らくこのふたりの登場人物の間にあるんだと思います。この物語が満足のいく旅だったと感じられるよう、うまく締めくくることができたと思います。僕たちが前に進む可能性がある以上、探求の余地は多く残されていますよ。」

映画公開前、ボール監督は米Comicbook.comとのインタビューで、本作がシーザーを主人公とする『猿の惑星』トリロジーと1968年公開のシリーズ第1作『猿の惑星』の間の物語であることを明かしていた。今後、物語を進めていく上で、ボール監督の目指す先は1968年のオリジナル版『猿の惑星』だという。同作では、猿に支配された惑星に降り立った宇宙飛行士の大佐が、最終的にその惑星が地球だったことを知る。となると、今後の物語が進むのは……。ボール監督は、こう続けている。
「僕たちはまだ最終的な結末を考えている途中です。自由の女神はいつ爆発するのか?猿はいつ突然、人間に関する知識をすべて消し去るのが最善だと決断するのか?聖なる巻物はいつ登場するのか?ザイアスが話していたことはどうなるのか。こうしたキャラクターたちには夢中になれるものがたくさんあり、とてもワクワクしています。」
『猿の惑星/キングダム』は大ヒット公開中。
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Source:The Hollywood Reporter,Comicbook.com,Rotten Tomatoes