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『アクアマン』未公開シーンに迫る ─ サメ大暴れ、バルコの特訓、モモア&アンバーのNGシーン

アクアマン
(C) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”

ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作、全世界で大ヒットを記録した映画『アクアマン』。とにかくボリューム満点、ビジュアル面でも見どころいっぱいと話題の本作にも、多くの映画と同じく「泣く泣くカットされたシーン」が存在するようだ。脚本に書かれていたものの削除されてしまった場面、撮影したものの理由があって使われなかった場面……。

本記事では米国公開時のインタビューより、ジェームズ・ワン監督やジェイソン・モモア&アンバー・ハードの証言から、いくつかの未公開シーンに迫っていきたい。

この記事では、映画『アクアマン』の内容に言及しています。ただし、本編に関する重大なネタバレは含まれていません。

 アクアマン
(C) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDCComics”

サメ大暴れ、実現しなかった血みどろシーン

Colliderによる上映イベントでは、ワン監督が、残念ながら実現しなかった“血みどろシーン”の存在を明らかにしている。共同脚本のウィル・ビールが執筆したシナリオには、海底の牢獄でサメが大暴れする場面が存在したとのこと。実際の撮影にも至らなかったようだが、カットすると判断したのはスタジオではなくワン監督だったという。

「ほんとにぶっ飛んだシーンがあったんですよ。スタジオじゃなくて、僕の方から“このシーン、映画に入れられるかなあ、ちょっと変でしょ”と言いました。同時に僕は大好きなシーンだったんですけどね。

アクアマンがオームに捕まって、地下牢に閉じ込められるんです。アトランティスの海底にある、恐ろしい牢獄ですよ。とうとう彼は暴動を起こすんですが、そこの守衛は全員サメ。シャークガード、全員サメの頭ですよ。アクアマンがシャークガードの一人を殺すと、そのサメから血が流れ出てくる。そしたら全員が、(血に反応して)ほかのシャークガードをむさぼり食い始めるんです。ヤバいでしょ。あたり一面に血が立ちこめて、アクアマンはそれを利用して脱獄するんですよ。」

このシーンを読んだ監督の反応は、「最高だけど、できるかな…」というものだったそう。結果的にこのシーンはカットされてしまい、とうとう日の目を見なかった。もしも許されるなら続編で、あるいはホラー調といわれるスピンオフ映画『ザ・トレンチ(邦題未定、原題:The Trench)』で…!

アクアマン
(C) 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”

アーサー・カリーとバルコの訓練

『アクアマン』には、主人公アーサー・カリーがアトランティス人としての能力を開花させるべく、若き日のバルコによる教えを受けて特訓にいそしむシーンが回想として登場する。アトランティス王家に仕え、オーム王の相談役を務めるバルコを演じたのは名優ウィレム・デフォー。ウィレムとワン監督は、バルコを『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービのような、あるいは武士道の師範のような人物として造形したかったのだとか。

ところが米Comicbook.comのインタビューでは、アーサーとバルコの回想シーンが一部削除されていることが明かされている。ワン監督によれば、アーサーが初めて水中で呼吸できるようになるシーンを本編に組み込むことができなかったというのだ。

「物語が大きく前進しないと感じられた場面を、1~2シーン、まるごとカットしました。思ったよりも映画が長くなっていて、削除できる部分を探していたんです。(初めて水中で呼吸する場面は)とても重要だと思われるでしょうが、それでも回想シーンですから。回想が多すぎると感じていましたし、無理に詰め込みたいものでもありませんでした。それに、物語に傷をつけることなく削除できるのはそこだけだと思ったんですよ。」

ちなみにワン監督は、この特訓シーンについて「きっとBlu-rayやDVDに入りますよ」とも述べている。まだ幼いアーサーとバルコのやり取り、もっと観てみたい方は少なくないはず!

アクアマン、メラを抱えられず

最後にご紹介するのは、撮影されたものの思った通りに成功せず、やむなく本編からカットされてしまったシーンだ。米Entertainment Weeklyのインタビューでは、アクアマン役のジェイソン・モモアとメラ役のアンバー・ハードがNGシーンの様子を笑いながら話している。

ここでモモアが語っている削除シーンの内容は、アクアマンがメラを抱えながら波の中から姿を現すというもの。言葉にするのは簡単だが、実際に演じるほうはそれどころではなかったようで……。

「最高のシーンでしたよ。僕が彼女を抱えたまま、二人で波の中から出てこなきゃいけないんです。ただ、波は大きいし、流れは速いし、僕はあれこれ変なの(装置や衣装)を着けてるし。彼女をつかんで潜ろうとしても、どうしても(身体が)出ちゃうんですね。そこで、彼女を一度沈めてから持ち上げようと。それで二人とも、まったく問題ない感じで出てくればいいんだと。“僕たち、アトランティス人なんで”みたいな。そしたらもう、彼女があちこち流されていっちゃう。彼女は95ポンド(43キロ)くらいなんで、頑張って押さえようとしたんですけど。もちろん、映画には使われてません。」

ちなみにモモアとアンバーは、『アクアマン』の撮影を通じてすぐに仲良くなったそうで、モモアいわく「二人で冒険するシーンが多くて、めちゃくちゃ楽しかった」とか。Blu-ray&DVD化の暁には、そんなNGシーンも含めて、二人のメイキング映像がたっぷり見られることにも期待したい。

映画『アクアマン』は2019年2月8日(金)より全国の映画館にて公開中

『アクアマン』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

モモアマン、撮影現場でのびのびしすぎ問題

Sources: Collider, Comicbook.com, EW

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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