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『ミッドサマー』監督、次回作はコメディを撮りたい ─ ホラーはしばらくお休み、別ジャンル進出に意欲

ミッドサマー
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『ヘレディタリー/継承』(2018)『ミッドサマー』を手がけたアリ・アスター監督は、わずか2作品のみで、ハリウッドを牽引するホラー映画界の鬼才となった。しかしアスター監督自身は、米Inverseにて「僕はホラー監督ではない」と語っている。「ホラーも好きだし、いろんなジャンルが好き。ホラーや特定のジャンルだけを撮るわけじゃないという意味です」。

『ミッドサマー』が米国公開された2019年7月、米Redditの一問一答企画「Ask Me Anything」にて、監督は今後のキャリアについて「いくつか映画を撮ってから、ホラーに戻ってくることになるかもしれません」とコメント。そして、ただいま進められている次回作に関しては、「奇妙な悪夢のようなコメディか、病的な家族のメロドラマ」と答えた。それっていつも通りでは…などと考えてはいけない。これまでアスター監督はコメディへの熱意をしばしば示しており、この企画でもコメディへの関心を尋ねられると「うまくいけばもうすぐ作ります」とまで言っているのだ。

ミッドサマー

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アスター監督が『ミッドサマー』の脚本を完成させたのは、『ヘレディタリー/継承』が米国公開された2018年6月ごろ。Inverseでは、当時の監督がすでに11本の脚本を執筆し終えていたというエピソードが明かされている。ここでも監督は、コメディやメロドラマへの意欲を語っていた。

「僕はダークコメディが大好きで、次回作には不条理なダークコメディを考えています。それから、ダグラス・サーク(監督)風の大作メロドラマにも強く惹かれていますね。西部劇も書いたし、SF映画も書いているところ。ミュージカルもやりたいです。まだ脚本を書いてはいないですが、ミュージカルも大好きなので。それから、壮大なギャング・サーガも書いたんですよ。」

なぜアスターが「僕はホラー監督ではない」と言ったのか、その理由がうかがえるというものだろう。まさにジャンルを問わず、ありとあらゆる種類の物語を手がけたいという姿勢なのだ。「Ask Me Anything」では「動物映画もやってみたい」と記しているほどである。ただし気になるのは、「僕の映画には、今後もずっと頭のケガが出てきます」ともコメントしていることだ。それって、やっぱりいつも通りなのでは?

なおアスター監督は、『ヘレディタリー』『ミッドサマー』でタッグを組んだラース・クヌードセンとともに、製作会社Square Pegを設立済み。ここではアスターの新作とともに、2人が信頼を置くフィルムメーカーによる作品が生み出されていく見込みだ。すでに複数の企画が動き出しているとのこと、プロデューサーとしての手腕にも今後は注目が集まることになるだろう。

映画『ミッドサマー』は2020年2月21日(金)より全国公開中。

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Sources: Inverse, Reddit, IndieWire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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