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キャメロン監督「描きたい物語のほとんどは『アバター』で描ける」 ─ 御年68歳、残りの人生への心境語る

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『ターミネーター』シリーズや『タイタニック』(1997)の巨匠監督ジェームズ・キャメロンは、いまや「『アバター』シリーズでおなじみ」という枕詞がふさわしいだろう。2000年代の中頃から『アバター』(2009)に着手し、同作の大ヒット後には続編4部作を手がけているのだ。

第2作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に続いては、第3作が2024年、第4作が2026年、第5作が2028年に公開予定。現在は第4作の撮影が進められているが、1954年生まれのキャメロンは現在68歳。予定通りに5部作が完結する頃には74歳、つまり人生の4分の1以上を『アバター』に費やすことになる。

「描きたいストーリーやアイデアはたくさんあると思うのですが、それらを描けないことを悔やんだりはしませんか?」。こうキャメロンに尋ねたのは、『RRR』(2022)や『バーフバリ』2部作のS・S・ラージャマウリ監督だ。英Empireでは、キャメロンが率直な思いを明かしている。

「ご質問のお答えには、ふたつの思いがあります。ひとつは、『アバター』の世界は本当に大きいので、私が描きたい物語のほとんどはその中で描けるということ。スタイルやテクニックもその中でたくさん挑戦できればと思っています。もうひとつは……たしかに、アーティストとしての私たちの時間には限界があります。描けなかった物語のいくつかについては、今後ずっと悲しみを抱くことになるでしょう。」

複雑な心境を隠さないキャメロンだが、もともと彼は、自分のアイデアをすべて自らの手で撮りたいと考えているわけではない。「キャスリン・ビグローが『ストレンジ・デイズ』(1995)を、ロバート・ロドリゲスが『アリータ: バトル・エンジェル』(2019)を撮ったように、他の監督にアイデアを掘り下げてもらえるのはすごく嬉しい」と語り、「尊敬する監督たちと、将来的にもっとコラボレーションしてみたい」と付け加えているのだ。

そもそも2022年7月、キャメロンは『アバター』シリーズを他の監督に託すことも考えていると述べていた。自らが『アバター』以外のアイデアを練っていることを明かしつつ、「3作目の後か、4作目の後かはわからないけれど、最終的には信頼できる監督にバトンを渡したい。そうすれば他の作品を作れるから」と発言。ただし「そんなことはしないかも、まだわからないな」とも。

ともあれ、『アバター』がキャメロンのライフワークであることはもはや間違いない。「私が描くべきは家族、持続可能性、気候、自然界のことだけ。実生活においても、映画人生においても、それらのテーマが私にとっては大切なのです。その思いは時が経つほど増していく」と彼は言い切っている。

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日(金)より公開中

Source: Empire(1, 2

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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