『美女と野獣』アニメ版の脚本家、実写版に不満だった ─ 「物語が忠実じゃない」

ディズニーによる不朽の名作アニメーション映画『美女と野獣』(1991)の脚本家リンダ・ウールヴァートンは、どうやらエマ・ワトソン主演による実写版に不満があるようだ。米The Hollywood Reporterのインタビューにて、本人が明かしている。
アニメーション映画として初のアカデミー賞にもノミネートされた『美女と野獣』は、魔女の呪いによって野獣の姿に変えられてしまい、心を閉ざしてしまった王子と、美しい心を持ったヒロインのベルが織りなす奇跡の愛を描く物語。本作が世界中から愛され続けている理由に、今もなお色褪せない魅力的なストーリーがあることは言うまでもないだろう。脚本を手掛けたウールヴァートンは、実写版について「ぜんぜん惹かれませんでした」と厳しい評価を寄せている。「物語が忠実ではなかったので。それに、私が関われなかったことにも不満があるんですよ」。
ウールヴァートンが実写版『美女と野獣』について指摘しているポイントは2点ある。ひとつはル・フウのキャラクター設定が変更されたことだ。アニメ版では悪役ガストンに従順で、不満を抱える子分として登場。一方、ジョシュ・ギャッドが演じた実写版では、ガストンに恋しているという同性愛者としての一面が描かれている。「そもそもガストンに恋をしてたんですかね? 彼は単なるお調子者で、自分が決してなれない人の太鼓持ちをしているに過ぎませんよ」。
そして、もうひとつの理由は、野獣の王子が住む城だ。実写版では魔法の力を介して、城と外の世界を行き来できるようになっている。しかし、ウールヴァートンは、野獣の城は「どんなことがあっても“鉄壁の城”なんです」と話している。「だから私にとっては、もう物語が成立していないんですよ」。
ちなみに、ここまで述べているウールヴァートンだが、決してアニメの実写化に否定的なわけではない。実写版『アリス・イン・ワンダーランド 』(2010)では脚本・製作を務め、『マレフィセント』シリーズでも脚本を執筆しているのだ。
Source: The Hollywood Reporter