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DC映画『ザ・バットマン』主人公は若き日のブルース・ウェイン?新ユニバース映画『ザ・ジョーカー』は異例の低予算か ― 米報道

DCコミックス
The DC logo is a trademark of DC Comics.

ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作、『ザ・バットマン(仮題)』『ザ・ジョーカー(仮題)』という今後の気になる映画2本について興味深い話題が報じられている。米The Hollywood Reporter誌による情報をご紹介しよう。

映画『ジャスティス・リーグ』(2017)がスタジオの想定を下回る興行成績となったことを受けて、DC映画をめぐる状況は劇的に変化している。まずは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)後にDC映画の統括役を務めることになったジョン・バーグ氏が、より幅広い作品をプロデュースするため任を解かれ、後任者には『死霊館』や『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)のウォルター・ハマダ氏が就任した。
さらにDCエンターテインメントの会長を務めていたダイアン・ネルソン氏はしばらくの休職を経てワーナーを去り、さらにDC映画の創作やプロデュースに深く携わっていたジェフ・ジョンズ氏も独立して自身の新会社を設立している(同氏はワーナー/DCと独占契約を結び、今後もライター&プロデューサーとして作品に携わる予定)。

報道によれば、ハマダ氏は現在、あらゆる企画が山積しているDC映画ユニバースで各企画の検討を行っており、関係者によれば「ある計画をもってユニバースを再デザインしている」という。数多の作品がアナウンスされている状況だが、そんな中で映画ファンの注目を特に集めているのが、冒頭に触れた『ザ・バットマン』および『ザ・ジョーカー』なのだ。

『ザ・バットマン』『ザ・ジョーカー』気になる動向は

企画当初、DC映画ユニバースでブルース・ウェイン/バットマンを演じているベン・アフレックが脚本・監督・主演を務める予定だった『ザ・バットマン』は、アフレックが脚本・監督を降板したのち、リブート版『猿の惑星』3部作を手がけたマット・リーヴス監督によって企画の見直しが進められている。

ジャスティス・リーグ
『ジャスティス・リーグ』(2017)より © JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

The Hollywood Reporter誌によれば、リーヴス監督は2018年5月末頃に『ザ・バットマン』の第一幕の脚本をワーナー側に提出したとのこと。三幕構成の冒頭部分が、ひとまず完成を迎えたということだろう。現時点で真相は不明と言わざるをえないが、リーヴス監督の提出した脚本は若いブルース・ウェイン/バットマンを描くものだといわれている。アフレックがバットマン役を続投するかは不透明な状況だが、これが事実なら、『ザ・バットマン』がアフレックではない新たなキャスティングとなる可能性は一気に高まってくる。

ちなみに米Deadline誌は、ジェフ・ジョンズ氏の独立を報じた際、『ザ・バットマン』について「新たな俳優がケープド・クルセイダー(バットマンを指す)を演じるとみられる」と伝えていた。こちらも同じく真相は不明だが、両誌の記した内容には一貫性があることを確認しておきたい。

また、DC映画をめぐる動きとして気になるのは、『マン・オブ・スティール』(2013)から展開されている「DC映画ユニバース」とは独立して始動する新ユニバースの存在だ。正式名称は不明だが、The Hollywood Reporter誌は「DCダーク(DC Dark)」や「DCブラック(DC Black)」といった名称になる可能性があるとしている。

この新ユニバースの第一弾作品となるのが、DC屈指の人気ヴィラン、“狂気の犯罪王子”ジョーカーを主人公とする映画『ザ・ジョーカー』だ。『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス監督による本作は、同誌によると2018年の秋にも撮影が開始される見込みとのこと。制作費は約5,500万ドルと報じられており、ハリウッドの大手スタジオによるコミック映画としては異例の低予算といってよさそうだ。

ビューティフル・デイ
『ビューティフル・デイ』(2017)のホアキン・フェニックス Copyright © Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. © Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

なお『ザ・ジョーカー』に登場するジョーカーは、DC映画ユニバースと世界観を共有しない以上、『スーサイド・スクワッド』(2016)でジャレッド・レトが演じたものとは別人の扱いとなり、2018年2月にはホアキン・フェニックスが出演交渉に入ったことが報じられている。1980年代前半のゴッサムシティを舞台とした、リアルな犯罪映画が目指されるとのことだ(なおDC映画ユニバース本体では、レト版ジョーカーの単独映画も制作されることも判明済み)。

ワーナー/DCは、映画『ザ・バットマン(仮題)』『ザ・ジョーカー(仮題)』ともに劇場公開日を発表していない。それぞれの作品について、続報の到着をひたすら待つことにしよう。

Sources: THR, Deadline
The DC logo is a trademark of DC Comics.

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。