ティム・バートン版バットマン、スティーブン・セガール主演の可能性あった ─ 『沈黙の戦艦』製作以前、ワーナーが起用を検討

アダム・ウェスト、マイケル・キートン、ヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー、クリスチャン・ベール、ベン・アフレック、そしてロバート・パティンソン。これらはDCコミックスを代表する人気ヒーロー、バットマンを大スクリーンで演じてきた、あるいは今後演じる俳優たちだ。
実は、ここにスティーブン・セガールの名前が加わっていた可能性があるという。いわば「沈黙のバットマン」である。
1989年版、キートンではなくセガールの可能性あった
バットマン役にスティーブン・セガールの起用が検討されていたのは、ティム・バートンが監督を務めた、1989年版『バットマン』。主人公ブルース・ウェイン/バットマンを演じたのは、『ビートルジュース』(1988)で話題を集めたマイケル・キートンだった。キートン版『バットマン』は、現在に至るまで高い人気を獲得しており、しかしキートンのキャリアにとっては重荷にもなった作品だ。
同作で原案・脚本を担当したサム・ハムは、米SYFY WIREのインタビューにて、当時のワーナー・ブラザースがバットマン役にアクションスターを起用したがっていたことを明かしている。
「ワーナーには(バットマン役に)アクションスターをキャスティングしたいという人がたくさんいたんです。ブルース・ウェイン役というよりも、バットマン役として俳優を選びたがっていた。だけど(『バットマン』では)ブルース・ウェインを成立させなくてはいけません。バットマンとしてのシーンは、ほとんどをスタントマンが演じたり、スーツ姿で走っているのを遠くから撮ったりするわけですから。スティーブン・セガールみたいな格闘のエキスパートじゃなくてもいいんです。そういう部分は別の形でやれますしね。だけど、セガールは候補者の一人だったんですよ。」
インタビュアーが「セガール?本当ですか?」と聞き返したところ、サム氏は「信じられないような話ですよね」と述べている。どうやら、セガールがバットマンを演じるという選択には否定的だったようだ。
「セガールが(バットマンとして)登場したら、“ウソだろ、カッコいい”って思われたでしょう。彼がバットマンになる可能性があったわけです。実際に脚本を読む段階まで進んではいなかったと思いますが、彼の名前は出ていたんですよ。」
『バットマン』製作当時のセガールは映画デビュー直後であり、キャリアの方向性を決定づけたともいえる『沈黙の戦艦』(1992)や『暴走特急』(1995)もまだ作られてはいなかった。なぜか邦題に「沈黙の」がつけられる、「沈黙シリーズ」が生まれる以前というわけだ。もしもセガールがバットマンを演じていたら、その後のキャリアは大きく変わっていたかもしれない。
また、それ以上に大きく変わっていたのはマイケル・キートンのキャリアだろう。続編『バットマン リターンズ』(1992)の後、キートンはしばしの低迷期に入っているが、それでもバットマン役をバネにしたような近年の活躍ぶりは目を見張る。会心の復活作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)も、空飛ぶヴィランを演じた『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)も、バットマンなくしてはありえなかったはずだ。
とはいえ、それはそれとして、である。スティーブン・セガールが演じるブルース・ウェイン/バットマン、あなたは見てみたかった? それとも…。
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Source: SYFY WIRE