バットマンがヴィラン、ジョーカーがヒーローに?現代社会の病理を撃つ『バットマン:ホワイト・ナイト』10月開始!

「21世紀、ヴィジランテ(自警団)の正義が危険な時代に、ブルース・ウェインの行動がジョーカーより安全かつ真っ当とは思えない」――こう記したのは米WIRED誌だ。
現代の価値観、現在のアメリカで起きているリアルな問題に根ざした、新たなバットマンのコミックが2017年10月よりスタートする。コミック・ライター、アーティストであるショーン・マーフィー氏による新作『バットマン:ホワイト・ナイト(原題:Batman: White Knight)』だ。本作ではジョーカーが、ブルース・ウェイン/バットマンによる陰謀を阻止する“ゴッサム・シティの守護者”として描かれることになるという。

バットマンがヴィランと戦う、その在り方は時代の変遷とともに常に形を変えてきた。今回、バットマンとジョーカーのポジションが逆転するという仕掛けは、キャラクターの立場を入れ替えるだけの単純な逆転を意図したものではないという。マーフィー氏は、本作『バットマン:ホワイト・ナイト』の目標は「コミックのお約束をなかったことにする」ことだと断言しているのだ。

「コミックのゴッサムを現実の街に変えてしまいます。ブラック・ライヴズ・マター(黒人の生命の尊さを訴えるデモ活動)から賃金格差の広がりまで、あらゆる問題に取り組む現実の街にです。賃金格差についてのコミックを書くよりも、ゴッサムのエリート層を相手にメディア上の戦争を戦う、説得力のある主張と弁舌で人々を魅了するジョーカーを描こうと思いました」

むろん時代の変化を直接反映し、「お約束をなかったことにしている」のはジョーカーだけではない。ブルース・ウェイン/バットマンの正義についても、本作では大胆にその解釈を変更しているようだ。

「鉄拳で犯罪が止まると思うことはカッコいいですが、現実の解決方法は教育、賃金の上昇、信頼関係の構築……それよりはるかにつまらないものです。バットマンが立つ“高潔なヴィジランテ”と“過剰な迫害者”の境界線も、社会の変化に応じて常に変わるでしょう」

人や社会を守ろうとする側が敗れ、情報が異様なまでの威力を発揮する、そんな時代でマーフィー氏は「見たことのないジョーカー」を見せるとも言い切っている。

「ジョーカーが天才であること、冷酷であること、大衆にアピールできることを私たちは知っています。では、なぜ彼を政治家にしないのでしょうか? フランク・ミラーはデヴィッド・ボウイをモデルに彼を造りました。クリストファー・ノーランは抑制されたソシオパス(社会病質者)として描きました。私はジョーカーをドン・ドレイパー(ドラマ『マッドメン』の主人公。暗い過去を封印した広告マン)として解釈します」

コミック『バットマン:ホワイト・ナイト』は2017年10月4日より米国にて発売開始。きっと電子書籍版は日本でも読めるようになるはずだ。現代社会の病理を撃つ、新たなバットマン&ジョーカーの物語に期待したい。

 

Sources: https://www.wired.com/story/batman-joker-villain/
http://www.cbr.com/batman-is-the-villain-in-sean-gordon-murphys-white-knight/
http://blogos.com/article/183540/
Eyecatch Image: https://twitter.com/Sean_G_Murphy/status/883407442922655744

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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