映画『バトルシップ』熱狂の理由、バトルシッパーに訊いてみた! ─ Twitter席巻の同時鑑賞祭り、どう参加した?

「バトルシッパー」と呼ばれる熱心なファンらに「愛すべきバカ映画」として熱烈な人気を誇る映画『バトルシップ』が、2017年9月8日、テレビ日本系列「金曜ロードSHOW!」で待望の地上波放送を迎えることで、Twitterを中心に盛り上がりを見せている。

『バトルシップ』テレビ放送に全国のバトルシッパーが沸き立つのは初めてではない。地上波初放送となったのは、2015年5月3日のテレビ朝日系列「日曜洋画劇場」でのこと。放送決定の告知の時点で大きな話題となり、放送約2週間前ながらもTwitterトレンド入りを果たすほどの熱狂に。放送当日も『バトルシップ』関連のキーワードがTwitterトレンドの半分を占める「祭り」となった。

「だが今日じゃない」放送中止が生んだ「奇祭」

実はこの度『バトルシップ』を放送する金曜ロードSHOW!では、今年(2017年)6月23日にも一度テレビ放送を予定していた。ところが、同月17日に起こった米海軍イージス駆逐艦の衝突事故に配慮し、放送は中止になったのだった。全国のバトルシッパーらは一様に、劇中の名ゼリフにならい「”だが今日じゃない”ということか」と落胆。しかし、同じく名ゼリフの「戦艦が簡単に沈むか!」を合言葉に再起を果たし、有志のバトルシッパーの呼びかけによりTwitter上で「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」を敢行。『バトルシップ』がテレビ放送されるはずだった夜9時より、各自それぞれの環境で『バトルシップ』の再生を開始し、Twitter上で実況しあう、というものだった。

バトルシッパーらの熱い実況は次第に熱を帯び、ついに#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」のハッシュタグはTwitterトレンドの1位にまで上り詰めた。さらには出演者である浅野忠信さんまでもが参加し、ツイート数はますます加速。テレビで放送されていない映画をファンが勝手に同時再生しているだけなのに、日本のTwitterトレンドを制覇してしまうという異様な盛り上がりは、「奇祭」として本日まで語り継がれている。

ここまで異様な盛り上がりを見せる『バトルシップ』は、なぜこんなに愛されているのか。この記事では、8人のバトルシッパーに直接お話を伺いながら、『バトルシップ』の魅力に迫る。

バトルシッパーがひとつになった「同時鑑賞祭り」を振り返る

まずは、前回の「同時鑑賞祭り」について振り返ってみたい。バトルシッパーは、みな思い思いに参加をしていたようだ。

数ある再生方法の中でも、Amazonプライムビデオで鑑賞していたバトルシッパーが多かった様子。ビニールタッキーさんは、自宅テレビにFire TVを繋ぎ、夜9時に再生を始めた。「コンビニで買ってきたチキンとブリトーを合体させたチキンブリトーを食べながら実況しました。」

“とあるバトルシッパー”さんは、自宅のパソコンからAmazonプライムビデオで再生した。

「スマホで実況ツイートをしながら映画を観ていましたが、Twitterでは祭が始まる前から盛り上がり、常に流れる実況ツイートで生まれた全国のバトルシッパーとの一体感は、かなりアツいものがありました!」と振り返る。

若様さんもパソコンで祭りに参加した。「Twitterの友人と盛り上がるのが楽しかったのと、ハッシュタグ”#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り “の参加者が思ったより多く、さらにテンションが高まりました。」

nezukuさんも同じくAmazonプライムビデオ。再生端末はiPadだったそうだ。「パソコンでは、Twitterクライアントを表示なり実況なり用に。再生と実況は別の端末に分けたほうが、安定しますので。」

「所持しているブルーレイを再生し、自宅のTVでブリトーとビールを用意してPCからTwitter実況に参加しました」と語るBS提督さん。「予想以上の盛り上がりで、TV放映が中止になって逆に人気が出たような気がしました。」
@FFFFigaguriさんもはじめのうちは様子見だったが、Twitterのあまりの盛り上がりに、代替放送された『ダークシャドウ』の鑑賞を中止して祭りに途中参戦したそうだ。

Simon_Sinさんは、なんと旅行先からの参加だった。「KindleHDにアマゾンプライムビデオのバトルシップをダウンロードして、旅館で観ながら実況していました。」

日本全国のバトルシッパーがTwitter上で一つになり、きっと何かを動かしたあの夜を、”とあるバトルシッパー”さんはこう振り返る。

「事の始まりこそはテレビでの放送中止だったと思いますが、”#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り”では、Twitterというツールを通して見ず知らずのバトルシッパー達が場所こそ違えど各々が作った環境で同じ時間に同じモノで共感できたからこその一体感だったと思います。
『バトルシップ』という映画は、キッカケさえあれば多くの人間の情熱を一つに向けられる魅力のある作品だと改めて感じさせられた一日でした。」

© Universal - Hasbro - Stuber Productions / 写真:ゼータイメージ

© Universal – Hasbro – Stuber Productions / 写真:ゼータイメージ

『バトルシップ』一言で表すなら

そんな『バトルシップ』を映画を一言で表すなら、バトルシッパーはどう答えるだろう。

「ブリトー」(@FFFFigaguriさん)「チキンブリトー!」(若様さん)といった『バトルシップ』を代表するフードを挙げる声や、とにかく「ロマン!!!」(ゆかりん@豹柄PINKさん)を叫ぶもの、「痛快爽快」BS提督さん)「頭を頭を空っぽにして見れる映画 (コマンドーなどにも類するところがあると思います)」(nezukuさん)海上戦艦祭り」(Simon_Sinさん)といった純エンタメ性を貫いた今作を正当評価する意見もあった。
さらに、「バトルシップを一言で表すなら」という問いながら「バトルシップ!!!」(ビニールタッキーさん)という哲学的回答をぶつけるバトルシッパーも。

バトルシッパーが語る、最大の胸熱シーン

注意

ここでは、映画『バトルシップ』の内容に触れています。

このように、とにかく基礎体温の高い『バトルシップ』だが、中でも最も熱く震えるシーンはどこだろう。バトルシッパーらに尋ねると、異口同音に答えたのが「戦艦ミズーリ」出撃場面だった。

「あれは記念艦だ。」「──今日まではな。」

エイリアンの攻撃に機動兵器を次々と沈められ、最後の切り札として登場した戦艦ミズーリ。しかし、建造されたのは70年前。全システムはアナログで、蒸気エンジンの点火方式すらもわからない「化石」戦艦だ。
そこに続々と集まったのは、かつて大戦で旧式戦艦を操作した老兵たち。シワが増え、ヒゲが白くなっても、祖国(地球)を守る意志は変わらない。劇中に登場する老兵らが本物の退役兵であると知った上で鑑賞すれば、自然と熱いものがこみ上げる。

ゆかりん@豹柄PINKさんは、「退役軍人達が集まるシーンは何度観ても鳥肌が立つ」と語る。「アレックスの”祖国に尽くした方々に言いにくいですが、お願いが”、”この艦が必要です”はグッときて涙が出ることもあります。描き方もセリフも、祖国の為に戦った先人達へのリスペクトを感じるからです。」

「ミズーリは歴史的に、現在の日米関係の始まりの場所でもある」BS提督さんは、そのミズーリを日米の兵士が動かし、共通の敵に立ち向かう展開に胸が震えると説く。

「若いの、突っ立ってないでそこをどけ!」老兵らは、かつてそうだった戦士の姿に戻っていく。「耳を塞いでおけ」──オイルライターでトーチに火をつけ、ボイラー口に差し込む。ハンドルを倒し込むと、長年のブランクに軋む足腰を持ち上げるように、戦艦ミズーリも想いに応える──「いい音だ」。

「指令室へ、ボイラー点火!ロックンロールしましょう。」これだ、これこそがバトルシッパーの拳を握らせるのだ。

ありがちな切り札の展開かもしれませんが、老兵が再び立ち上がる場面というのは熱いものです。」(nezukuさん)

『古びた技術で最新鋭の敵と戦う』という描写が、ハズブロのアナログゲーム『海戦ゲーム』を最新のCGで実写化する、というこの映画のコンセプトと通じているような気がして感動します。」(ビニールタッキーさん)

誰でもバトルシッパーになれる

日本での劇場公開当時、何度も足を運んだというゆかりん@豹柄PINKさんは、『バトルシップ』を通じて「軍・自衛隊へのリスペクト、そして平和への理解に繋がれば」と願う。ビニールタッキーさんは、2~3年前に初めてバトルシップを鑑賞した「ビギナーバトルシッパー」だそうだが、「バトルシッパーには全く排他性がなく、バトルシップが好きであれば誰でもバトルシッパーになれる」と教えてくれた。

日本中を一つにする力を持つ映画『バトルシップ』。この度、満を持してのテレビ放送で、僕もあなたも、みんなでバトルシッパーになろう。『バトルシップ』はすごい映画だ。恐竜みたいなもんだ。

※ご取材にご協力頂いたバトルシッパーの皆様、ありがとうございました!
通りすがりのいがぐり (@FFFFigaguri)様
若様(@onimusya_0509 )様
Attun(@nezuku)様
とあるバトルシッパー様
Simon_Sin(@Simon_Sin)様
ビニールタッキー(@vinyl_tackey)様
BS提督@_lo_cky_)様
ゆかりん@豹柄PINK(@yukarikmf2)様

About the author

方向感覚が壊滅しており、Googleマップがあっても道に迷う編集長。ORIVERcinema発起人。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ポップカルチャーは世界を変える

TwitterでTHE RIVERをフォローしよう!


こちらの記事もオススメ

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。