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ジブリ&新海誠から影響、『ビューティフル・ジャーニー』不思議なドアで過去に戻れる「アニメに通ずる」 ─ 監督は宮崎駿作品に感動「自分で映画を撮ってさらにわかる」

ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行

マーゴット・ロビー&コリン・ファレル主演『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』が、2025年12月19日(金)に公開される。

本作はスタジオジブリ作品などで知られる作曲家・久石譲のハリウッド進出作。監督のコゴナダは、THE RIVERの取材にて、「久石さんの音楽が大好きです。この映画では、スタジオジブリと久石さんの音楽から特に大きな影響を受けました」と語った。「それから、僕と息子は新海誠さんの映画も大好き。『天気の子』(2019)は何度も観ています」。

『ビューティフル・ジャーニー』の主人公は、友人の結婚式で偶然出会ったデヴィッド(ファレル)とサラ(ロビー)。2人はカーナビに導かれ、“不思議なドア”をくぐって、人生のターニングポイントを再び体験する。彼らは自らの過去に触れ直し、互いの距離を縮めていくなかで愛情を知るのだ。

この“ドアをくぐると過去に戻れる”というアイデアはコゴナダが提案したものだという。「息子とアニメをたくさん観ていた時期に、この映画の脚本を読み、アニメに通じるところがあると思いました。そこで、実写映画でアニメのような要素に挑戦したいと思ったんです」

コゴナダにとって、スタジオジブリや新海誠作品といった日本のアニメ映画とのエピソードは、息子たちとの関係に深くつながっているようだ。

「息子たちが小さいころ、“自分たちの好きな映画を見つけなさい”と話していました。家には僕が好きな映画の棚があるんですが、自分の好みを押しつけるつもりはなかったから。すると、息子たちがアニメーションや日本のアニメを好きになったので、宮崎駿さんの作品を見せたんです。すごく気に入ってくれたので、“ひとりの監督の映画を親子で一緒に全部観る”という初めての経験をしました。素晴らしい時間でした。」

ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行

宮崎駿作品の魅力を、コゴナダは「アメリカのアニメーションにはない、一種の“退屈さ”を感じるところ。車に乗る子どもたちを見ているだけで、彼らが平凡な日常に退屈しているのがわかるようです」と語る。また、「キャラクターが現実にきちんと接する時間を用意しているところも大好き」とも。

「幻想的な作品でも、水たまりや雨、カエルといった日常的な細部が描かれているんです。日常と幻想のバランスが魅力的で、だからこそ人間的な感情に、とても深く触れることができる──そのことに感動しましたし、“映画にできること”の最良の例だと思っています。自分で映画を撮るようになってから見返したことで、その素晴らしさをさらに味わえるようになりました。」

そしてコゴナダは、久石が手がけた本作の音楽にも「同じような要素がある」と強調する。「久石さんの音楽は独特の世界観がありながら、リアルな現実感もあり、まったく別の世界へと観客を導く力もある。音楽を作ってもらえて本当に光栄でした」

ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行

映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』は、2025年12月19日(金)公開。

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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