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【ネタバレ】「ベター・コール・ソウル」の結末、『ブレイキング・バッド』映画版のジェシーとかぶりそうだった

ベター・コール・ソウル
Better Call Saul Season 3 Episode 304

シーズン6でついに幕を閉じた、ドラマ「ベター・コール・ソウル」(2015-2022)。最終回でソウル(ボブ・オデンカーク)は納得の結末を迎えたが、実は似たようなエンディングが『ブレイキング・バッド』映画版のジェシー(アーロン・ポール)向けに想定されていたという。同シリーズの共同クリエイター、ピーター・グールドがバーチャル記者会見で明かした

この記事には、『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』と「ベター・コール・ソウル」シーズン6第13話のネタバレが含まれています。

「ライターズ・ルーム(脚本家たちがアイディアを話し合う作業部屋)では、シーズン4か5時点で(ジミーが)刑務所で終わるというイメージを持っていたと思います。実はその頃、ヴィンス(・ギリガン)は『エルカミーノ(: ブレイキング・バッド THE MOVIE)』を開発中で不在でした。彼が戻ってきて『エルカミーノ』のエンディング案を話すと、その内の1つがこれ(ソウルの結末)と非常に似ていたんです。」

「ブレイキング・バッド」のジェシー・ピンクマンを主役とした後日譚『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』(2019)は、最終的にジェシーがアラスカに逃げるところで幕切れとなる。しかし当初は、ジェシーが刑務所に入る結末も候補に挙がっていたという。ギリガンの提案を聞いたグールドや他の脚本家は、その場で意を唱えたようだ。

「もちろん素晴らしく、見事に考え抜かれた提案でしたが、僕は背中がひやっとしました。ソウルにとって正しい結末は、彼が軽んじて、自分の目的のために捻じ曲げてきたシステムの中にいることだと強く感じていましたから。それで、何人かで『ジェシーには別のエンディングにしたらどうでしょう?』と言ったんです。」

結果的にジェシーとソウルは、それぞれに相応しい全く異なるエンディングを与えられた。グールドは「ブレイキング・バッド」ユニバースにおける主人公3人の結末を、以下のように表現している。

「3部作という観点でいえば、ウォルトが死ぬのはとても優雅に感じます。彼は自分自身のねじれた条件で死ぬのです。ジェシーは大いに苦しみ、自分自身の牢獄に閉じ込められていましたが、癒しを求めて逃げ出します。そしてジミーは魂を取り戻しますが、しばらく投獄されます。3人の主人公がそれぞれの結末を迎えるのは、実にしっくりきました。」

また「ベター・コール・ソウル」に関しては、レイ・シーホーン演じるキムも主人公の1人として扱い、彼女にとってベストな結末を導き出したようだ。「キム・ウェクスラーは我々にとって非常に重要で、この時点では共同の主人公のようなものです。僕の中で、彼女は本当に希望に満ちたエンディングを迎えます」。

ジミーが罪を認めて刑務所に入る「ベター・コール・ソウル」の結末は、これ以上ないほど完璧であった。一方で『エルカミーノ』は、ジェシーが服役するより逃げ切ったからこそ、納得できる終わりになったといえるだろう。

ちなみにグールドは「ベター・コール・ソウル」について、「『ブレイキング・バッド』と『エルカミーノ』を別の角度から見ることができるし、前日譚と後日譚の役割を担っています。『ブレイキング・バッド』より1話多いですしね」と、3作の中で特別なポジションを築いたことを強調している。それゆえシリーズ単体だけでなく、ユニバースを締めくくる秀逸なエンディングとなった。

Source:Decider

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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