『タイタニック』船長役バーナード・ヒルが逝去 ─ 『ロード・オブ・ザ・リング』セオデン王役など

世界中を一大旋風に巻き込んだ大ヒット作『タイタニック』(1997)にて豪華客船タイタニックの船長エドワード・スミス役を演じた俳優バーナード・ヒルが現地時間2024年5月5日に亡くなったことが分かった。79歳だった。死因は明らかにされていない。
1944年、英マンチェスターに生まれたヒルはマンチェスター・メトロポリタン大学にて演劇を学んだ。1970年代よりTVシリーズに出演し、「ボーイズ・フロム・ザ・ブラックスタッフ」(1982)で注目を集めた。TVや舞台で活躍するほか、リチャード・アッテンボロー監督作品『ガンジー』(1984)、メル・ギブソン主演作『バウンティ/愛と反乱の航海』(1984)、ピーター・グリーナウェイ監督作『数に溺れて』(1988)など映画でも名監督や名優とともにキャリアを重ねた。
ジェームズ・キャメロン監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『タイタニック』で演じたスミス船長は、悲劇的な衝突事故を冷静に対処しようと努めたが、乗客に出来る限りの指示を出した後、ひとり操舵室に籠って最期を迎えた。職務への責任や矜持、多大な判断に揺れ動く船長を好演し、全米映画俳優組合賞(SAGアワード)にノミネートされた。
ピーター・ジャクソン監督によるファンタジー超大作『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズではローハンの王、セオデン役で『二つの塔』(2002)『王の帰還』(2003)に出演。品性と威厳に溢れる王として騎士たちをリードし、大きな存在感を発揮した。
そのほかロマンティック・コメディ『ウィンブルドン』(2004)やるヒトラー暗殺計画「7月20日事件」を描くスリラー映画『ワルキューレ』(2008)、アクション・コメディ『Golden Years(原題)』(2016)などジャンルを問わず多数の作品に出演。捜査官役を演じたホラー・ミステリー『The Moor(原題)』(2023)と、若返りの術を得た70歳の女性が、人生を生き直すファンタジー・ドラマ『Forever Young(原題)』が生前最後の映画出演となった。
ご冥福をお祈りいたします。
Source:Deadline