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【解説付】世界の映画評論家が選ぶ『21世紀の傑作映画ベスト100』【100位~81位】

・なんとなく面白い映画をしばらく観ていない気がする。
・TSUTAYAで何を借りればいいかわからない。
・あまり知られていない名作を観たい。

そのほかお薦めの映画を知り合いに尋ねたところ、『七人の侍』や『ゴッドファーザー』、『タクシードライバー』に『時計じかけのオレンジ』などと答えられて「もうその手のヤツはいいんだよ!」「そんな答えが欲しいならお前なんかに聞かねえよ!」とお怒りのみなさま、大変長らくお待たせいたしました。

イギリスBBCが世界中の映画評論家177人(ライター、学者など含む)に聞いた「21世紀の傑作映画ベスト100」発表しました。21世紀といいつつ2000年以降が対象なのはご愛嬌ですが、誰もが知る有名作品から日本未公開の珍品まで、とにかく新しくて面白い映画が揃っています。

今回はベスト100のうち、100位から81位までをご紹介しましょう。どうか、みなさまの映画人生が少しでも豊かになりますように。

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100位~91位

100位 『Toni Erdmann(原題)』(2016年/ドイツ/マーレン・アーデ監督)
「カンヌ国際映画祭2016」でパルム・ドール有力候補と目されながら受賞を逃した一作。日本未公開。

100位 『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年/アメリカ/ダーレン・アロノフスキー監督)
まさかの100位にランクイン、麻薬の力で人生をゴロゴロ転げ落ちる人々を描いた恐怖のドラッグ・ムービー。主演は若かりし頃のジャレッド・レト。

100位 『カルロス』(2010年/フランス・ドイツ/オリヴィエ・アサイヤス監督)
名匠オリヴィエ・アサイヤス監督が実在のテロリストの半生を撮りきった、5時間33分に及ぶ大長編。

99位 『落穂拾い』(2000年/フランス/アニエス・ヴァルダ監督)
パリの市場で道路に落ちている物を拾う人々を見た監督が、ミレーの絵画『落穂拾い』を連想し、「現代の落穂拾い」を探して旅するドキュメンタリー。

98位 『10話』(2002年/フランス・イラン/アッバス・キアロスタミ監督)
車を運転するひとりの女性と、助手席に乗り込んでくる人々の会話のみで構成された連作10話。公開当時絶賛されながら、なぜか日本ではソフト化されていない。

97位 『ホワイト・マテリアル』(2008年/フランス/クレール・ドニ監督)
内戦の勃発するアフリカのある地域で、その土地を離れることを拒みつづける女性を描いた作品。これまた日本ではソフト化されていない……。

96位 『ファインディング・ニモ』(2003年/アメリカ/アンドリュー・スタントン監督)
ご存知ディズニー・ピクサー作品、息子ニモを見失ってしまった父親マーリンが繰り広げる大冒険。続編『ファインディング・ドリー』の前には必ず観ておくべし!

95位 『ムーンライズ・キングダム』(2012年/アメリカ/ウェス・アンダーソン監督)
少年少女の駆け落ちから始まる大騒動を、こだわりの画づくりとユーモアで見せる群像劇。ブルース・ウィリス、ビル・マーレイ、エドワード・ノートンらが出演。

94位 『ぼくのエリ 200歳の少女』(2003年/スウェーデン/トーマス・アルフレッド監督)
孤独な子どもたちによる禁断の恋と殺人を描いたヴァンパイア・ラブストーリー。日本では主題をめぐる表現で物議を醸した。鑑賞後に調べてみてほしい。

93位 『レミーのおいしいレストラン』(2007年/アメリカ/ブラッド・バード監督)
『Mr.インクレディブル』でピクサー初の「人間主役」を実現したバード監督が「人間×動物×料理」に挑戦。タイトルの印象とは裏腹にアクションも冴え渡るエンターテイメント。

92位 『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年/アメリカ/アンドリュー・ドミニク監督)
アメリカ西部開拓時代のカリスマ犯罪人ジェシー・ジェームズとその手下を追う、2時間40分の超濃密な心理サスペンス。ブラッド・ピット製作・主演。

91位 『瞳の奥の秘密』(2009年/アルゼンチン/フアン・ホセ・カンパネラ監督)
第82回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したサスペンス。25年前の未解決事件を題材に作品を執筆する小説家が、事件の真相とともに自らの内面を暴いていく。

『瞳の奥の秘密』 http://www.noticiasenserie.com/el-secreto-de-sus-ojos-cine-nada-mas/
『瞳の奥の秘密』
http://www.noticiasenserie.com/el-secreto-de-sus-ojos-cine-nada-mas/

90位~81位

90位 『ピアニスト』(2001年/フランス/ミヒャエル・ハネケ監督)
もはや「イヤな映画を撮る」イメージでお馴染みハネケ監督が、「抑圧された性と恋愛」をイメージ通りに撮った一作。2001年のカンヌ国際映画祭で主要部門を総ナメした怪作。

89位 『頭のない女』(2008年/アルゼンチン/ルクエシア・マルテル監督)
歯科医ベロニカは車の運転中に何かを轢き逃げしてしまう。彼女は自分が人を轢いたのではないかという疑念に取りつかれて……。日本では未ソフト化。

88位 『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年/アメリカ/トーマス・マッカーシー監督)
今年2月の第88回アカデミー賞で強豪をおさえ作品賞を受賞。実在のカトリック司祭による性的虐待事件と、それを追う新聞記者たちの物語。

87位 『アメリ』(2001年/フランス/ジャン・ピエール=ジュネ監督)
日本でも大人気となった、オドレイ・トトゥ主演の「やりすぎラブストーリー」。空想好きの女性アメリの恋をポップで独創的な映像感覚で描く。

86位 『エデンより彼方に』(2002年/アメリカ/トッド・ヘインズ監督)
物語もさることながら、美術や映像の質感に至るまでとことん緻密に作り込まれた「1950年代以上に1950年代」のメロドラマ。ジュリアン・ムーア主演。

85位 『預言者』(2009年/フランス/ジャック・オーディアール監督)
これぞ不遇、カンヌでパルム・ドールにノミネートされながら日本では3年公開されなかった秀作。アラブ系の青年が刑務所内でのし上がっていく乾いたフィルム・ノワール。

84位 『her/世界でひとつの彼女』(2013年/アメリカ/スパイク・ジョーンズ監督)
代筆ライターのセオドアが人工知能型OSサマンサと恋に落ちるSFラブストーリー。劇中の近未来がじわじわと現実に迫っている感がある。サマンサの声はスカーレット・ヨハンソン。

83位 『A.I.』(2001年/アメリカ/スティーブン・スピルバーグ監督)
当時人気絶頂のハーレイ・ジョエル・オスメント扮する少年型ロボットが母親を探すSF作品。原案スタンリー・キューブリックの難解さとスピルバーグのエンタメ性が同居する。

82位 『シリアスマン』(2009年/アメリカ/ジョエル&イーサン・コーエン監督)
コーエン兄弟ならではの映像感覚とユーモアが魅力の、善人がひたすら不幸な目に遭う不条理コメディ。日本では映像配信のみで未ソフト化。

81位 『SHAME -シェイム-』(2011年/イギリス/スティーブ・マックィーン監督)
マイケル・ファスベンダーが体当たりの演技で挑んだ、セックス依存症との対峙の物語。その過激な描写以上にハードなのは作品の内容そのもの。

『SHAME -シェイム-』 http://www.filmofilia.com/six-new-shame-movie-photos-78476/
『SHAME -シェイム-』
http://www.filmofilia.com/six-new-shame-movie-photos-78476/

次回は80位~61位をご紹介します。鬼才と呼ばれる映画作家が続々登場しますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

source: http://www.bbc.com/culture/story/20160819-the-21st-centurys-100-greatest-films

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。