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『ブラック・フォン』スコット デリクソン監督「優れたゴースト・ストーリーは未練を扱う」【インタビュー】

『ブラック・フォン』スコット・デリクソン 動画インタビュー

『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・デリクソン監督が、怪奇映画に回帰。2022年7月1日日本公開の映画『ブラック・フォン』は、殺人鬼によって閉じ込められた地下室に、死者と繋がる電話が鳴り響くサイコ・スリラー映画だ。

原作は、スティーヴン・キングの息子であるジョー・ヒルの短編小説。この映像化を長年望んでいたというデリクソン監督の渾身作だ。

本作では、海外メディアで「科学的に最も怖いホラー映画」としても認定された『フッテージ』(2012)で主演を務めたイーサン・ホークと再タッグ。ホークは今作で、子どもたちを次々とさらうマスクの猟奇殺人鬼を演じている。

THE RIVERでは、デリクソン監督に一対一で動画インタビュー。デリクソン監督といえば『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を降板したことも話題となったが、『ブラック・フォン』との兼ね合いがあったのだろうか?短い時間でのインタビューとなったが、監督とのやりとりの様子を、動画とテキストでどうぞ。

『ブラック・フォン』スコット・デリクソン 動画インタビュー

──スコットさん、初めまして!

初めまして。そのスリップノットのTシャツ、いいね。

──ありがとうございます。この映画のマスクのデザイナーが同じなんですよね?

(笑)そうです。

──本作『ブラック・フォン』、怖いけれど面白くて、とてもよかったです。この映画のために、『ドクター・ストレンジ』の続編から降板したんですよね?

いや、『ドクター・ストレンジ』続編を降板したのは、クリエイティブ上の理由のためです。それに、本作は結局『ドクター・ストレンジ』の後に製作されましたしね。でも、この映画には個人的な思い入れもあって、ジョー・ヒルの短編作品を映画化したいという思いはずっとあったんですが、今まではその方法が見つからなかった。それで、この短編に自分の個人的な経験を織り混ぜて、物語を広げられれば、長編映画として良いものができると思ったんです。

──ホラー映画の監督や製作者は、実際に超常現象や怪奇現象に見舞われることがあるそうです。監督はそういう経験はありますか?

いや、そういうことは今作でも経験がないですね。確かにそういう話は聞いたことがありますが、今作ではなかったです。

──本作では、監督の過去作『フッテージ』と共通の要素が登場します。例えば子どもの霊や、出演のジェームス・ランサムもそうですね。子どもの霊というのは、監督にとって興味深い題材なのでしょうか?

うん、そうですね。優れたゴースト・ストーリーとは、“未練”を扱うものだと思っています。そして未練のある霊たちは、不当な死を遂げているもの。今作では、子どもたちが不当に殺されていることが重要な要素で、だからこそエモーショナルな物語になっている。子どもたちが正義の裁きを求めているところが、私は好きです。自分たちの命を奪った人物に報いを受けてほしいと思っている。そこが、本作の刺激的なところです。とても怖いしサスペンスフルだけど、子どもたちにきちんと声を与えている。こういう作品では、子どもたちの声は無視されがちですよね。

──イーサン・ホークとは再タッグになりました。お二人とも、この10年の間に大きな仕事も成し遂げられましたね。久々に一緒に仕事をしてみていかがでしたか?お互いに近況報告もしましたか? 

そうですね。実は彼と隣同士で撮影していたことがあって。10年来の良き仲で、本作も一緒にやれて最高でした。楽しかったですよ。

映画『ブラック・フォン』は2022年7月1日公開。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。