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ついに続編がヴェールを脱いだぞ!『ブレードランナー2049』予告編第2弾を秒単位で分析&解説

現地時間2017年5月8日、『ブレードランナー2049』の予告編第2弾が公式より投下されました。もうご覧になりましたか? 期待させといてほとんど何も判らない、どっかの宇宙戦争映画トレイラーとは違って、新キャラ、新ロケーション、内容たっぷりの映像に興奮しっぱなしの2分半でしたね。「あのシーンはこうじゃないか」とか「あのセリフはこういう意味じゃないか」など、公開前だからこそ言える与太予想を交えながら、予告編を秒単位で見ていきましょう。

【0:08】ファンにはお馴染み、未来都市LAの夜のスカイライン。前作は2019年という時代設定でしたが、『ブレードランナー2049』は読んで字のごとく、それから30年後の2049年が舞台です。LAを取り巻く劣悪な環境は、30年たっても改善されてはいないようです。

【0:10】現実に存在する企業を作中の未来都市に登場させる手法は、キューブリックが『2001年宇宙の旅』で初めて行い、劇中の未来が自分たちの暮らす時代と地続きになっていることを、観客に強力に意識させました。前作『ブレードランナー』はその手法をより大々的に取り入れたことで知られています。このシーンに登場する「ATARI」というネオンサインは、1980年当時隆盛を誇っていたビデオゲーム会社ATARIのもの。現実にはこの企業は買収されて、往時の姿はもうないのですが、『ブレードランナー』の世界では、ATARIは前作から30年経った2049年にも隆盛を誇っているようですね。

【0:13】荘厳な宗教施設を思わせるコンセプトアートのような構造物内部。三角形の意匠から、前作に登場したタイレル社のピラミッド型の社屋を否応なく思い出させます。人ならざる生命を産み出すことで、企業体は自らを神格化しはじめているのかもしれません。

【0:15】エージェントK(ライアン・ゴズリング)が、レプリカントの身体が陳列展示されている回廊を案内されています。レプリカントの尊厳が未だ認められていないことを暗示させる場面です。

【0:19】和装に身を包んだジャレッド・レト登場。盲目もしくは、機械式の義眼を入れているように見えます。おそらくはレプリカントを産み出す企業(タイレル社?)の関係者、しかも中枢に近い人物にようですが、詳細は明らかにされていません。彼は人間か、それともレプリカントか。顎の下にインプラントされた光が、おそらく後者であることを伺わせます。

ジャレッド・レト「全ての文明の起こりには、使い捨ての労働力の存在が必要だ。だが、私はそんなに多くを作ることはできない」

【0:22】サイボーグやアンドロイドの誕生シーンは数多くのSF映画で描写されてきましたが、ここで描かれる子宮代わりのビニールチューブからの誕生は、即物的でおぞましく、吐き気すら催します。

【0:27】「誕生日おめでとう」ジャレッド・レト演じる人物が産まれたばかりのレプリカントを撫でまわしています。行為と先ほどの台詞が裏腹であることから、彼が主人公らの敵対者ではないかと予想できます。

【0:36】続く場面から警察署と思われる巨大な建築。前作の警察署とは違う建物のようです。

【0:39】ドラマ『ハウス・オブ・カード』でお馴染み、ロビン・ライト演じる上官らしき人物がエージェントKに命令を出している場面のようです。

ロビン・ライト「ものには秩序がある。それが我々がなすべきこと」

【0:40】前作ファンの間で「M2019ブラスター」と呼ばれるデッカードの銃よりも小ぶりな、エージェントKの銃。デッカードのものは世界中のマニアが研究・再現し、映画に対する偏愛の象徴となりましたが、今作でこの銃に注がれる愛情はいかほどのものになるでしょうか。

ロビン・ライト「我々は秩序を守る」

【0:42】傷だらけのエージェントK。かなりの強敵と肉弾戦を戦った後のようです。

【0:46】お馴染みホログラム広告。前作『ブレードランナー』では映画を象徴する画期的なシーンだったのですが、数多のフォロワーに真似され、消費されてしまったせいか、既視感ありまくりでこのシーン自体に驚きはありません。そもそもホログラム広告って、その効果のほどはどうなんでしょう、鬱陶しくて逆効果のような気もしますね。

ロビン・ライト「世界は種を隔てる壁によって成り立っている」

【0:50】混沌と美しい、霧が立ち込める夜。ビルの屋上で、何と書いてあるか分かりませんが、日本語の大きい看板を背後に女性がエージェントKに歩み寄っています。

【0:52】キューバ人女優アナ・デ・アルマス。本作ではジョイという名のレプリカントを演じるようです。「世界で最も美しい顔100人」に何度も選出されている女優さんです。ブレードランナーであるエージェントKと対峙して、こんなことになっているということは・・・前作のレイチェルに似た役どころなのでしょうか。

🌻 girasoles en abril 🌻

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ロビン・ライト「壁などないと公言すれば、おまえは戦争を引き起こすことになるだろう」

さらっと大事なこと言ってますね。「壁」とは当然、人間とレプリカントを隔てる“何か”のことだと思いますが……。

【0:58】2049年のラスベガス。LAとは違い、荒れ果てたディストピアとなってしまっているようです。明るいところでスピナーが観れる嬉しいシーンでもありますね。行方をくらましたデッカードを探しているようです。

In 2017, the story continues. #BladeRunner 2049 – starring Ryan Gosling and Harrison Ford.

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【0:59】環境破壊が進んだせいか、それとも核戦争でもあったのか、ラスベガスがここまで荒廃した理由はなんでしょう。赤い砂と異様なオブジェが醸し出す雰囲気は、雨と夜の印象が強いブレードランナーの世界観に思いのほかマッチしています。

【1:02】ハングル文字のサインがある建物の前のエージェントK。ホテルのような建築ですが、ここにデッカードは隠遁しているのでしょうか。

デッカード「警察だな」

【1:09】建物内部、罠もしくはセンサーを躱すエージェントK

デッカード「俺もかつては同じ仕事をしていた。優秀だった」

【1:13】デッカード登場。ところで第一弾予告でも、公式ポスターでもデッカードはこのTシャツ一枚、お腹周りがやるせない恰好なのですが、トレードマークのコートを着る場面はあるのでしょうか。

【1:15】よく見ると顔中傷だらけのK。時系列は先ほどの血まみれになった戦闘のあとのようです。

K「知ってる」
デッカード「目的はなんだ」
K「聞きたいことがあるんだ」

【1:26】海の上を飛ぶスピナー。前作の公開後、先ほどのブラスター同様、ファンの興味を集めたこの乗り物。なんでも通常のエンジンの他に、飛行用のジェットエンジン、垂直離陸用の反重力エンジンと、三つのエンジンを搭載しているそうです。この小型の車体のどこにそんなものが?また、主翼も尾翼も見当たりませんが、どうやって風圧を逃がし空中でバランスをとっているのでしょう、未来の技術おそるべしでございます。

【1:27】美しいショットですが、スピナーの窓に映りこむのは、先ほどのアナ・デ・アマルス演じるジョイのお仕事中の姿。ジョイは「Joi」と表記するようです。前作ではセクシャルな目的で生み出されたレプリカントも登場しましたので、ジョイさんは、そんな職種なのかもしれません。すごく楽しみ、じゃなくていつの世も世知辛いのは変わりませんね。

【1:29】ここはどこでしょう。酸性雨が降りしきるLAでもなければ、ラスベガスでもない、小雪のちらつく第三の土地のようです。

ジャレッド・レト「未来への鍵が」

A new civilization begins now. #BladeRunner2049

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【1:30】手の動きを気にするエージェントK。この仕草は前作において、寿命が近いレプリカントのリーダー、ロイ・バティーが見せていたものと似ています。エージェントKはレプリカントなのか?

【1:31】80年代、グラムロック風ファッションに身を包んだレプリカントと思しき人物たち。男性か女性かも判然としません。彼らはエージェントKの味方でしょうか。

【1:32】岩に刻まれた2021年10月6日の文字。2021年は前作の舞台2019年の二年後です。レプリカントの4年という寿命から考えると、前作ラストでデッカードと共に逃げたレプリカント、レイチェルの墓石ではないかと考えられます。

ジャレッド・レト「ついに現れた」

【1:35】「連れてこい」ジャレッド・レトの命を受けるのは、オランダ人女優シルビア・ホークス。彼女もまたレプリカントなのでしょうか。

【1:36】無理やり停めたらしい車に近づき、おもむろに雨の中発砲するエージェントK。今作は前作にもましてガンアクションが多いようです。

【1:37】スピナーの中から応戦するシルビアさん。どうやらシルビアさんがデッカードを護送しているところにエージェントKが急襲してくる図式のようです。このことからジャレッド・レトが言う「未来の鍵」とはデッカードのことなのかも、と推理できます。

【1:40】双眼鏡で窓の外を見るデッカード。時系列はもはや判りませんが、誰かと一緒にいて、そして警戒中のようです。

デッカード「あいつら、おまえがここにいるのを知ってるぞ」

【1:41】逃げるデッカードと、初お目見えの黒いワンちゃん。この世界では、クローンではない生粋の生物は死に絶えているはずですが、このワンちゃんは如何に。ひょっとしてこの犬が未来への鍵か?それはともかく壁を突き破って誰かが飛び出してきます。

【1:42】スピナーに近づこうとするデッカードを止めるエージェントK。間一髪爆破されるスピナー。ワンちゃんは無事かー!? 二人の関係性から、さきほど壁を突き破ってきたのはエージェントKではないでしょう。ここらへんからショットがめまぐるしく変わって忙しくなります。

【1:44】人気のない劇場の観客席を後ろを気にしながら進むエージェントK。ステージ上ではホログラムのショーが展開されています。この後一瞬ナイフが映ります。

【1:45】あれ、ドラックス? デイヴ・バウティスタが今作にキャスティングされていることは知りませんでした。メガネをかけて知的な印象……ですが、やっぱり大暴れ要員のようです。エージェントKを捕まえて、ハンマースルーからの壁抜き! 予告編では2回目です。

【1:46】本作を代表するシーンになりそうな美しいショット。キャットウォークに立つエージェントKと、ホログラムのジョイが対峙しています。

@bladerunnermovie

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【1:48】空模様や雰囲気から、先ほどデイヴ・バウティスタが出入りしていたと思われる建物が炎上しています。エージェントKと戦っていたこと、そしてKが燃える建物を背に一人立ち去っていることから、あの戦いの勝敗がなんとなく判ってしまいますね。ドラックスの安否が気遣われますが、希望は薄そうです。

【1:49】先ほどKが歩いていた劇場とは別の場所でしょうか? ナイトクラブのような内装で、ショーガールが踊っていますがこちらにも客の姿はありません。

【1:50】スピナーの窓に映っていたジョイの動画広告。前作のレイチェルにもドキドキしましたが、おやおや。なんていうかありがとうございます。そして、どこでもドア? 手前にいる女性が誰か判りませんが、どこでもドアから出てきているのはエージェントKです。この空間全部がホログラムなのでしょう。自然破壊が進んだ未来では、こういった仮想空間に心の安らぎを求めるようになるのかもしれません。

【1:51】こちらが先ほど言ったデッカードの護送シーン。彼の手に手錠のようなものがついていることから判断できます。これはエージェントKの接近に二人が気づいたシーンかも。

【1:51】エージェントKらしき影を、鬼の形相で殴りつけるデッカード。いったい二人の間に何が?

【1:52】激高するエージェントK。殴られてこうなってるわけじゃなさそうです。内装は医療施設のようですが。

【1:53】複数の敵を手早く葬るK。やはりKは戦闘に特化したレプリカントなのかもしれません。

【1:54】きざまれた年輪の感じから、デッカードの目か、ちょっと印象が違うので、先ほどどこでもドアのシーンに登場した女性の目かもしれません。前作のファイナルカット版オープニングを想起させます。あのシーンはデッカードの目とも、最初に登場するレプリカント、リオンの目とも言われています。

Happy birthday to you. #BladeRunner2049

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【1:58】仕事用の鬘や衣装を脱いだジョイ。親し気にエージェントKに語り掛けています。

ジョイ「言ってるじゃない、あなたは特別だって」

The vision continues. #BladeRunner2049

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【2:02】複数のページが一気に破られたような本を前に佇むエージェントK。

ジョイ「あなたの物語はまだ終わってない。まだ数ページ残ってる」

【2:09】呆然としているような、悲しみに耐えているようななんとも言い難い表情を浮かべるK。自分はレプリカントだと知ってしまったか、それとも最も根源的な秘密に触れてしまったか。謎の答えが明かされるのはもちろん公開後のことでしょう。

いかがでしたか? 語るべき場面があまりに多く、またしても超駆け足になってしまいました。筆者の見落としや勘違いも数限りなくあるとは思いますが、なんにしても今年の注目作の筆頭といっても過言ではない『ブレードランナー2049』、予告編を見る限り傑作の匂いが早くも漂ってきます。遠いと思っていた日本公開は2017年10月27日、あとたった150日あまりです。

Writer

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アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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